武井宏之, スタン・リー『機巧童子ULTIMO』1〜4
- 作者: 武井宏之,スタン・リー
- 出版社/メーカー: 集英社
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ところどころアメリカンテイストが垣間見えると同時に、ユンボルの怨念も感じられなくもない。そのユンボルもめでたくリメイク&リベンジ中。
ユンボルと言えばショタ漫画とか言われてて「おいおい穿ちすぎだろ」と思っていた私ですが、ウルティモはなんつーか言い訳できない感じがします。
ウルティモ自体はとってもエンターティメントで、短い間に(作中時間は二日程度)どんどん無茶苦茶な出来事が発生していって、主人公はヘタレない強さの男。面白い。
でも女っぽい少年がいると思ったら前世は女で主人公に惚れていて、現世でも愛を貫こうと敵に回ったりとか、そもそもメインギミックの機巧童子自体が人間と「殿と小姓」というパートナー組まなきゃいけなかったりとか、それ以前に動力源が「殿の愛」と言い切ったりとか、機巧童子と殿がシンクロしてフルパワー出すと殿が服破けて野郎の裸だらけとか、わざと誤解を招くような表現と演出が多数!
一巻、二巻はまだよかったんですが、三巻の百機回向で主人公(筋肉)・味方のおっさん(毛むくじゃらで太鼓腹のクマ系)・敵A(ガリヒョロ眼鏡)・敵B(ちょい悪グラサン親父)の裸体がずらずら出てきたり、武井さんはどうしたのかと思った(というかそれの前のジェラス戦からしてすでに)。
武井先生伝統のドSヒロインが主人公の母親ポジですが、その人も最初のほうしか出ないので心のオアシスがあああ……。
そのへんを無視すると、やはり楽しいバトル漫画です。
まず大筋は「善と悪のスーパーロボットが時空を越えて一大決戦!」みたいな感じですが、善と悪がぶつかる理由は「マッドサイエンティストの『善と悪どちらが強い?』という実験」。
五次元に及ぶ五感と四次元に至る四肢を持つ究極の存在、それが機巧(からくり)童子=ロボットであり、それぞれ善童子の頂点ウルティモと、悪童子の頂点バイスがいます。
その他に「眷属」の六波羅密とか七つの大罪なんかもいますが、これに転生とか時間旅行なんかの要素も加わって、世界がどかんと滅んだり滅ばなかったりダイナミック。
巨大ロボット・神童(ゴッドウルティモ)なんかが三連続てんどんしてるのは、いかにも武井先生らしいハッタリ。でもこんな巨大ロボ、アメコミの脚本家が発案するものだろうか。
(なんか東映スパイダーマンで、巨大ロボのレオパルドだけは本家に受けなかったの思い出す)
この作品のどこからどこまでがスタン・リー脚本で、どこまでが武井先生のアイデアなのかちょいちょい気になりますね。単行本でそのへんの解説あると良かったんだけれど。
それにしてもはまぞう、なぜ三巻が抜けているんだ……。