太田モアレ『鉄風』4
嫉妬よね……
あの子は 私と同じ時間を生きて来た 時間を平等に与えられてあの場所にあの子はいる
それってまるで 私が怠けて時間を無駄にしてきた気がして我慢ならないの
- 作者: 太田モアレ
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2011/06/07
- メディア: コミック
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で、今さらなんですがこの作品は女子格ともうひとつ「嫉妬」がテーマなんだなあと思ったり。引用箇所は主人公・夏央の台詞ですが、それを吐露した彼女に対しても嫉妬する人間はいるわけです。それは師匠的立場の紺谷さんのモノローグや、同じジムのキリちゃんの心情からも描写されてますね。
スポーツマン=爽やか、なんて図式はもう古いって誰でも知っていることだとは思うけど、それでもフィクションで端役として出る場合はまだそのステレオタイプが使われていることも多い。
この作品はそうしたスポーツ(女子総合格闘技)と、「真っ直ぐな黒さ」が結合して独特のキャラクター性を放っている所が好きなんで、そうした「悪い子夏央ちゃん」をもっと見たいなあとか思います。
その結果夏央ちゃんが痛い目にあってぐしゃぐしゃに泣くとか最初期待していたんですが、お兄ちゃんにやたら怯える彼女は逆に何か面白くないんですよね。そろそろ兄妹間の確執がつまびらかにされて欲しい……。
ところで登場人物紹介ページもそろそろ欲しいです。