世の中にフィクション以外の何があるのだろう?

真実は人を通してフィクションになる。伝われば伝わるほど。(中略)
時間の経てば、時間が経つほどに。真実には、沢山の事実がある。
戦争の体験談を語るわ まとめ
 後日談込み。子ども達の運命にただただ冥福を祈らずにはいられない。あの子たちが実在しないとしても、同じように殺された子どもたちはいたわけだから。
 クロアチアのことを一時期調べていたのですが、その時にユーゴスラビア戦争を聞き及んでおりました。そのユーゴスラビア戦争を体験したというお話。
『聖痕のクェーサー』でも、準レギュラーの無口シスターがセルビア人で、襲撃を受けたってエピソードが回想で挟んだりされてたなあ。
 襲ってくるクロアチア兵が殺人大好きのガイキチのよーだった覚えが……。


 それはともかく、オチには賛否あるものの、非常に「楽しんで」読みました。
「子どもは次世代の敵」という認識が当たり前の世界、子どもが子どもで居る事が許されない世界。
 感覚が摩耗し、誰かが殺されていても「ああ、またか」としか思えなくなっていく日々。
「俺達は戦争が終わるまで生きていられないだろう」と言って、その通りになった民兵
 殺し合いという言葉の泥沼が、歴史の重みが、実体を持って迫ってくるお話でした。
 後日談も含めて、周囲にお勧めしたいってことで日記のネタに。ただし戦争体験なので鬱だし、大人も子どももバンバン死にます。
 序盤にある戦争前のエピソードが、ひぐらしの事件前に通じるまばゆさだよ……。