中村光『荒川アンダーザブリッジ』1〜10
三巻と十巻がわりと表紙詐欺。
荒川アンダー ザ ブリッジ 3 (ヤングガンガンコミックス)
- 作者: 中村光
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2006/05/25
- メディア: コミック
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荒川アンダー ザ ブリッジ 4 (ヤングガンガンコミックス)
- 作者: 中村光
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
- 発売日: 2006/12/25
- メディア: コミック
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荒川アンダーザ ブリッジ 10 (ヤングガンガンコミックス)
- 作者: 中村光
- 出版社/メーカー: スクウェア・エニックス
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- メディア: コミック
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これが社会人の力だよ!(いいえただの衝動買いですバカ野郎)
とりあえず買って損した気分にはならなくてトントン。聖☆おにいさんとはまたノリが違うんですが(根本的な作風はさすがに通底していますが)、世界観に浸れるというか。
一言で表すならメルヘンホームレス漫画、あるいはユートピア漫画でしょうか。
子供の頃、秘密基地を作っておうちに帰らずそこに引っ越す……なーんて夢がそのまま実現したような世界。実際、作者が一巻カバー折り返しで、子供の時、橋の下に住んでみたかったと思った旨を書いています。
橋の下と、そこから広がる荒川河川敷の『村』。そこはホームレスの生息地なのですが、牧場に教会に美容院にと妙に施設は充実し、村長の思いつきで様々なイベントが催される始末。
その様子が凄く楽しげで、ちょっと懐かし目のラブコメであると同時に、下町人情ドラマ風でもある。そこへ織り交ぜられるギャグの数々はちょっと美川べるのっぽい。
宗教ネタ一本だった聖☆おにいさんに対し、こちらは時事ネタパロネタにまで手を広げて、ギャグに幅が出ています。ジョジョ絵な作中漫画はGJな出来映え。
ツッコミの切れ味なんかも、かなりツボでした。「シスターと言うよりブラザー寄り」とか「俺たちはバクじゃないんですよ」とかとか。
そんな河川敷は、出たり消えたりする階段や、ニノの後ろ盾っぽい着物の男など、様々な力によって守られています。あの階段が消えていたシーンで、ああこの村は外界から隔絶されたユートピアだったんだな、という一抹の寂しさを覚えました。
あと、これ買うまで作者は男性だと思っていたんですが、聖☆おにいさんと比べても、女性っぽいというか少女漫画チックな部分も見受けれますな。
リクの顔がショタ系に変身したり、高井(主人公の部下、執事みたいなもの)のキモいほどの行様大好きっぷりとかとか……。あと亀有病だけはちょっと引いた。
マイフェイバリッとキャラはシスター。この人の言動がいちいち面白い。ミリタリーネタが好きなのもありますが、シスター服が違和感ない大男ってのも不思議だ。
案の定オマケ漫画で「人気投票したらシスターだけ棒グラフの棒が折り返した」とあって、さもありなんと大笑い。
ともかくニノが実際に金星人かどうかはともかく、普通の人間ではないのは確かな模様。何だか大詰めになってきたようですが、このシリアス展開が次回十一巻でどう落ちるのか目が離せません。
DVD借りてアニメ版を視聴するべするべ。