三家本礼『血まみれスケバンチェーンソー』1
「だいたい何でテメーにオレを裁く権利があるんだ!!」
「あたしが勝ったからさ!!」
- 作者: 三家本礼
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2010/03/25
- メディア: コミック
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粗筋はタイトルそのままでだいたい合ってる。
まあもうちょっと説明すると、女子中学生マッドサイエンティスト・碧井ネロ(♀)が自分をいじめていたクラスメートを人体改造。3−A組最後の生き残りであるバンカラ?スケバン・鋸村ギーコは、襲い来るネロの改造屍体怪人どもにチェーンソーで戦いを挑む、壮絶なバトルでやんす。
変わり果てたクラスメートと戦う女子中学生……というシチュエーションのわりに悲壮感は欠片もない。年齢の割にどいつもこいつもグラマラスで、その上チェーンソー(家が解体業らしい)を振り回す主人公は鬼のように強いときた。
それでいて学校の先生方がなんか「厄介事だ、関わりたくないスルーしよう」という日和ったり、妙に日常的な感覚のリアクションやツッコミが入るのもシュール。
まあミカモンといえば、ストリップ小屋がゾンビに襲われて、それに対抗するストリッパーたちがやたら強かったりしましたしねえ。いつものこと、いつものこと。今日も快調ミカモン味。
ツッコミ処は多いけれど(教室で生徒がゾンビ化して無茶苦茶な授業を繰り広げているのに、警察すらやってこない、とか)、勢いとノリで読者を先に引っ張っていくという、絶妙なバランスに成り立つ作品。
ここまでその場のノリだけで突き進み、マトモなストーリーなんて知ったこっちゃありません。でも読んでる側は面白い、というのは凄い才能だと思います。
ゾンビ屋からサタニスターと、うーんそろそろどうかなーと思っていた所で、ガツンと剥き出しの三家本礼を読みましたよ! これだよこれ! こういう原色のホラー漫画って無軌道さとかがいいのよ!
とりあえずメインの女子中学生二人からして濃い。主人公、自分に危機が及べば相手が人間かどうか確認するまでもなくブッ殺しにかかります。火はつけるは酒瓶で頭を貫くわ。
普段着からして、制服の下はサラシとフンドシ、足下は下駄。住む家はプレハブで、お風呂はドラム缶というワイルド貧乏っぷり。ドブロク愛飲とかいいのかおいw
そしてネロ様はといえば、かなりキテます。「私の品質管理が必要な豚ども… お前らは手始め …いずれは…!! 世界ごと私の巨大な豚小屋にしてくれるわ…!!」とこれが第一話の台詞。
ビジュアルも美少女なんですが、片目だけガチャっているあたりがまた、マッドサイエンティストらしい。
で、主人公が「解体屋の娘(とても営業しているようには見えなかったが…)」という理由でチェーンソーを振り回すので、ただでさえゾンビだらけの画面に死肉をブチ撒けまくりながら戦います。
来る敵も「遅刻魔のチコ」、首だけになった神田さん(「噛んだ」の連想からきたネーミングっぽい)、そして全身爆薬の「爆谷さゆり」。一巻最後の敵であるさゆりは、顔を隠すヘルメットのような髪型といい、なんかレトロな味があるデザインでいい。
で、女子中学生がパンツモロ出しですっ転んだり、×××からミサイル発射したり、制服を隠されたのでスクール水着を着て過ごしたり、三ページもかけてシャワーシーンやったり、秘技『双頭のサラマンダー』とか、作者の欲望が丸出しなのも分かりやすくていい。萌えと言うより、これも勢いのウチというか。
人がばんばん死んで女がバンバン脱ぐ世界、と言ってもあまり間違いではないかも(全裸が横行するわけけじゃありませんが、セミヌードは多い)。