吉田創『ブンダバー!AuSF.B』

「よしわかった ではこうしよう おまえ二つに分かれて2倍になれ」(E:日本刀)
「1割る2は2じゃなくて2分の1! むしろこの場合はゼロですッッ!!!!」(真剣白刃取り)
「ポケットの中のビスケットは粉々になってるだけですからねえ」(傍観)

ブンダバー!AuSF.B

ブンダバー!AuSF.B

 同名の児童文学(くぼしまりお)とは関係ございませぬ。
 同じキャラと世界観を使った漫画作品集、再版だそうで。
 表紙の女の子は一本目にしか登場しません。後は全部野郎三人組が、好き勝手全開にくだらなさえ暴走するミリタリー・アクション・ギャグ漫画。ヒラコーとかギャグモード広江礼威とかに相通じる物がある。ああ、あと笹尾悟もか。その辺の作家が好きなら水が合うかと。
 第二次世界大戦を舞台に、情報将校の三菱(イカレ軍人系サドボケ)・彼にいじられる整備担当の元大学生秋山(マゾボケ)・忍者の家系だったりで強かったりホモだったりする坂本(サドボケ二号)の三人が、オカルトも交えつつ様々な任務を破天荒にこなします。
 マントとかの関係か、三菱がちょっと眼鏡の魔人加藤に見える……。まあ「拳銃で狙撃ができる腕前」なんてチート設定もついてますし。軍刀振り回してもそれなりとかアンタ。
 部下が拷問されてんのに自分は優雅に過ごしてたり、臆面もなく部下を囮にしようとしたり、堂々と責任転嫁したり。鬼畜な行動が目立つ三菱中尉はホンマ鬼やでー。イカレとるでー。しかし秋山くん*1の悲惨さと突っ込みにこちらは笑い転げるばかり。
 しかし一本目(无名的英雄)のシリアス路線はもうちょっと見てみたかった気がします。宝珠をなんで集めているのか分からないし、一緒に収録されているキャラクター紹介なしではよく分からん箇所が多かった(雰囲気は納得するんだけれど)。
 つくづく〜英雄、以外の他作品との落差は激しいですが。三菱と秋山が実はもともとあんなキャラだったとは、英雄を読んだ時点では想像だにしませんでしたよ。唯一萌えキャラとして登場するななも、いかに作者が頑張ったか分かろうってもんです。
 だが個人的にななは、あざとすぎていらないと思うんだ……。パンツ見えているのにとても怖いのはいいんだが。頭が三歳児とかモロパンとか、何だか萌えない……いいんだ、そんな無理しなくていいんだ……見てるこっちまで辛いから。
 あと、オマケ漫画のメイド喫茶は酷すぎると思います。

*1:知人と同名のキャラを見ると妙な気分になるなしかし。