緋鍵龍彦『唐傘の才媛』1
同時期に別々のレビューサイトさん(いつも見ている所)が、同じ作者の違う単行本をそれぞれ紹介していたので、思わず両方とも買っちゃったぜ! というぬえやの浅慮短絡の果てにこのエントリーは存在します。
やっぱり! 硬くも大きくもなりませんよね! 小さーい! 小さーい! 小さーい!
パパのよりちっちゃい! ふにゃふにゃ! しわしわ!
- 作者: 緋鍵龍彦
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2009/04/27
- メディア: コミック
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でもチヤホヤされていないのでハーレム物ではない。どちらかというと魔女とヤンデレのダブルヒロイン制か。
この本はヤンデレ漫画だと聞いた時、表紙の彼女が唐傘の才媛と評判の美人で、主人公は才媛に惚れられて恐怖の淵へ……なーんてサスペンスやサイコホラーのノリを想像していましたがさにあらず。
表紙の彼女こそ和風魔女にして旅館の女将・水落紅(みずおち・べに)なのでした。
んで、ヤンデレヒロインのほうは主人公をばっさばっさと生体解剖とかします。魔女の力も借りてどんだけ切り刻んでも死なないし、意識も失わない。夜ごと繰り広げる愛と血の競演! それで正気を失わない主人公っていったい何だろう。
ヤンデレの華房乙女さんは琴線に触れたものを切り刻む性癖の持ち主ですが、彼女が巻き起こすスプラッターは倫理や道徳をすっ飛ばし、単なるギャグのように流されていますね。
まじめに考えるととんでもないことになっているのですが、それでも登場人物たちがおバカな日常を繰り広げるさまは、えーと……まいちゃんの日常(※18禁)を連想してしまいます。まあ作者もエロ漫画の人ですけど*1。
その一方で、ヒロイン二人が一度仲をこじらせてからどんどん悪化する様は、妙なリアリティがあるし。「こんな旅館にいられるか」のシーンは、ああこんだけ相手に腹を立てていると、そんな言葉も口をついちゃうよねって共感するものが……。
あと、魔女のひとが唐傘を開いて魑魅魍魎を召喚するたびに、なんか『宵闇眩燈草紙』(八房龍之介)を連想しました。あっちも主人公の眼鏡男がたいがいダメ人間だったし、和風魔女いるし(美津里は元々西洋人だったけど)。
*1:本作も女の子の野尿とか、尻尾を見せるためにおしりを丸出しにする猫又娘とか、引用部分のオマケ漫画みたいな要素目白押しですしね。