ホラーM10月号

 ホラー色はあがったような気がするけれど、ちらほら細かい不満点も感じないでもない今号。

竜騎士07×押切対談

 三ページほどの対談。いったいどーゆ人脈でこれが実現したんだろうか。押切先生はもともとホラーMで連載とかしたわけですが、うーん。さて、のっけから押切先生を褒めにかかる竜騎士さん。
竜:私なんて、もはや警戒されちゃって、いまサスペンス以外の作品を書いたところで、たぶん誰も信じてくれないですからね。
 うん、ぜってー誰も信じないな。しかし押切先生、やはり面白い(笑)。
ウチの親父をどこにやったんだ!」とか最高。で、「(ギャルゲーに)登場する女の子は、みんなホントは僕のことが嫌いで、いつか殺しに来るんじゃないか。…むしろ、僕を殺しに来てくれ!」発言がほんと押切ワールド。

忘却の里/押切蓮助

 今回は表紙も担当なんですが、この少女、次回からも登場しそうだなあ。
 押切先生はバトルもできるんですよと分かった話。
 ちょっと超人的な強さな気もしたが、まあミスミソウの春花もめちゃめちゃ強かったしなあ(あっちは泥臭い「凶行」で、無惨なダメージ描写とかグロに拘った風でしたが、今回は殺陣とかバトルの要素がありました)。
 最初に登場したジジイは別に身内じゃなくて通りすがりだったのね……。
 今回は姥捨て山モチーフの話。ホラーではお約束なカニバリズム出ていますが、ヴィジュアルのハードさはやはりガチ。でもしなびた干し肉なんて美味しいのかしら……あいつら家族とかなんだろうなあ。
 拷問の末に殺され食われる老人たちが凄惨なのはもちろんなんですが、一番怖いなあと思うのは、ふもとの村がそれを知らずにずっと姥捨てをしていたであろうこと。先
 祖代々、若き日は親を捨て、年老いては自身も捨てられ、良心を守るためについた「極楽浄土」の嘘を暴かれる。それと知らずに需要と供給がなりたっていて、今まであんな地獄が生活圏の近くに存在していたってのが凄い怖い。
 ただ、人喰いどもの台詞はちょっと笑えましたが。
 しかしまたハシリドコロかw

遊霊少女凛/元町夏央

 何というか不快な話。
 わざとやっているのかもしれないが、それを越えてまで読もうというような、惹かれる要素を感じない。

辻占売/池田さとみ

 ひとやすみひとやすみ。あの町はちょっと行ってみたいかも。

闇夜に遊ぶな子供たち/うぐいす祥子

 久しぶりのうぐいすさんだが、イマイチ。
 絵は相変わらずイイんだけれど、どうも分かりづらかった……つか妹に超パワーあるのか。ちょっとガッカリだ……。お兄ちゃんがフルカネリ知っているのも、何か唐突に思えたし(本見つけるシーン)。

もののけ草紙/高橋葉介

金持ちで世間知らずのご令嬢は貧乏人の苦労話が大好物なんだな」と冷めている手の目がらしくて良い(笑)。
 しかし絵はいいが色々といつもどおり過ぎで、新鮮味がないのは残念か。「やっぱ死んでたのかよ」って。

コールドアパートメント/財賀アカネ

 なんかキャラクターが外国のアニメ風で可愛い。
 ホラーと思いきやコメディだったのが残念だが、絵だけで充分と思ってしまう。今回は一応、アパートも意味あったし?
 ただ、「神を名乗る悪鬼」「惨殺現場を目撃」と、微妙に押切漫画と被る要素が入っちゃったのは不運かも。

機巧童子/鯛夢

 ペットショップの話はほんと酷かった……なんで犬逃がしちゃうの。前回と違って、ヒロインが分かりやすく厭な人だったんですが、落ちが爽やかで良かったかな。そんで最終的に、万物万能丸がどんなのになるのか気になってきた。
 しかしハルヨシ可愛いなあ。まさにマスコットだぜ。

忌友/菅原県

 何となく想像がつく話だったが、あの女の子の身になにが……。
 絵が子供漫画っぽい感じなのが、不気味さを助長して良かったかも。

罪の花束/ワタナベチヒロ

 おいおい、サカキバラかよと思わず突っ込んだ。なんとうい中二マインド漫画という印象。
 絵は前より好きです。でも猫殺しシーンはちょっと……。
 前述のように実際の殺人鬼をそのままモチーフにした感じで、あんまりな「そのまんま」感が実に作品を薄っぺらくしている。連載らしいけれど、次回は主人公が幽霊にでもなるのか、それとも他の殺人鬼登場なのか。
 今回の話に限っては、あの何も気付かない母親との関係をえぐりこんで欲しかったと思う。

絵画修復家キアラ/たまいまきこ

 第一部完おめでとう。
 とりあえずギネヴィオのあれは、プロポーズよね? 男ツンデレがやっと一歩を踏み出したのは微笑ましい。

新・呪いの招待状/曽祢まさこ

 前回の話はあれで終わりなのかよ! なんという中途半端。
 で、今回の話は「普通じゃない」ってやっぱそんな意味かーとあっさり読めたのが残念かな。
 しかし何より、母親のウザさとその描写が素晴らしい。独善的で無神経で、人の話を聞かなくて、実に生々しい。「あるあるあるw」って、主人公に共感してしまいました。

神の子供/西岡兄妹

 おーとうとうやったかファック。……前の殺人事件でも、こうやって殺したんだろうか。
 今回はまた、カニバリネタ三本だね。

催眠ドレイ/三条友美

 始まり方は相変わらず。催眠術ネタって前もあったよなあ。
 最近、作者単行本『きりきりぎったん』が出たんですが、作中の台詞に「きりきりぎったんになっちゃえ!」があって笑った。「ずっと前から先生のこと」の後に「こうしてやりたかった」のコンボとかも。