ぴのってみた。


 秋山真琴氏制作のフリーゲームPNOS(ピーノス)』体験版をプレイしてみました。
 収録シナリオは三本なんですが、「百色眼鏡の迷宮案内」→「冒険の終わり、物語の始まり。」→「鋼一郎最後の夜」とプレイしてみて、最後だけやたら長いのはなんなのか。全部前二本と同じようにサクッと終わると思っていたのにい。
 やってみて思うことはただ「懐かしい」。
 管音系はすっぱりないですが、彼夢系もりだくさんですね。村上に才城に雨都。
 ただ、この懐かしさと判別つけがたいのが全編にただよう「既視感」。最初に百色眼鏡からやったせいか、世界観の知識をまず叩き込まれたんですが、その説明を読んでたらなーんか色んな商業作品の名前が思い浮かんできてしまう。
 舞台は少し未来の東京。世界はいっぺん滅んでて、夜だけ現われる迷宮があって、どうしてそんなことになったのか誰にも分からない。けれど、人はそんな現実にも対応して、夜ごと迷宮に挑み、糧を得る冒険者たちが存在している。
 固有名詞や色合いは昔ながらの秋山さんなのだけれど、それ以外での世界観の枠組みは、既存の作品とそんなに差別化できていないのではないか、という印象を受けました。読んでないけれど、迷宮街クロニクルってラノベもあったしなあ。
 ……確か宣伝を頼まれた気がするがこれだけじゃあれだな。
 面白いか面白くないかで言うと、面白くないってこたないですよええ。キャラは活き活きしていますし、私は断然百色眼鏡よりデルタたん派です。百色眼鏡といえばいつぞやの『回廊』で秋山さんが書いた鯨の話に出てくる、数式で爆発を起こせるようなキャラの名前で、名の読みがずっと不明だったんですがぴのっちのおかげで読みが分かりましたありがとうございます。
 あと音楽が秀逸。どのシーンでもイメージにあってて、雰囲気を高めてくれる素敵ぶり。かっこよかったり、しんみりしたり、かつ邪魔すぎず。タイトル画面だけ音量があがっている気がするのが難ですが、これはいいBGM群ですね!
 バージョンアップごとにシナリオが追加される仕様だそうです。
 作中で脇役として登場した、サイクロプスもソロで屠る格闘系女子高生・御階堂さんや、銃使いだけど投石でがんばる才城さんなどのキャラクターも、そちらで活躍してくれるのでせう。
 そういえばあのダガー女は単なる脇役Aなのか、何か意味のある登場人物なのか気になります。
 あれが出てくる時の画像気持ち悪いのよ。まさか綾織の関係者じゃあるまいしなあ。しかも、なぜ「ダガーを」持っているのか気になる。百色眼鏡さんはまあ、特殊だからいいとして。……鋼が「彼氏」と勘違いしたのは、やはり「君」なのかな。
 ……しかしなんぼか誤字があったけれど、報告したほうがいいのかしらこれ。もう完成品あるみたいだけど(遅いよ俺)。