二期十六話『悲劇への序章』

 ハム……何しに来たの? 吐血か、それともトランザム見せびらかしか。
 残り話数も僅かなので、さすがに適当に戦って撤退はナシだろーと思っていたら本当にそうしやがりましたね、トランハム(マスラオ)。それ以上に驚いたのは、よりにもよってBパートで前回のCパートがまるまる使い回されたことなんですが。
 その……制作、スケジュールとか大丈夫なんか? まあ刹那が改めて自己確認してくれて、その後ダブルオーを他のガンダムが支えるという(おそらくは)感動的な絵を作ったんですが、これまでの戦闘でもっと他のガンダムが活躍していればなあ……。
 やはりハムは一期で死んでおくべきでしたな。トランザムとかアリー機でええやん。
 一方、せっかく網に捕らえたガンダムを、ご丁寧に解放してまで撤退したカティ部隊は「現海域で待機」を言い渡されました。ちょ、前回の撤退ってイノベか何かがソレビ壊滅しないよう介入したんじゃないだろうなw 何というご都合主義。
 ご都合といえばアレルヤとマリーです。前回アロウズパイロットスーツという超火種を持ち出してきた彼女ですが、今回見事にスルー。何事もなかったかのように私服になって、マイスターともどもブリーフィングルームに集合していました。あの……前回あの格好のマリーが出た意味って何? アレルヤがまたぞろ、スメラギさんに「マリーを出撃させようとしたんですか!」って食ってかかるかと心配していましたが、それが無かっただけマシです。そう、マシ……なんだよ。次回とうとうマリー出撃みたいだし。
 いやーでも本当にこの作品、スルーしちゃいけないものをスルーしますねー♪
 さて本筋の軌道エレベーター占拠なんですが、ハーキュリーさんがいくら「君らは連邦に騙されている!」と演説したところで、人質にされた当の一般市民にとっては平和を乱すテロ屋さんでしかないんですよね。最初から解放する気やった、ちゅーても、そうと分かっててオートマトンになんぼか殺されているわけで。やっぱこのおっさん、思考がテロリストですわ。
 しかし二期に入って、初めて一般市民が出てきましたね。
 ソレビやテロ組織の関係者や軍人しか登場人物いませんでしたし(笑)。一期の沙慈ルイのような一般人ポジション(視点)がどこにもないから、平和なはずの連邦政府統治下がぜんぜん見えてこない。すんごーい狭い世界にしか見えないのが二期の大きなネック。一期のあの多視点ぶりはどこ行ったんだろう……。
 ハーキュリー絡みで今回はセルゲイ、というかスミルノフ家のターン。
 セルゲイの亡き妻ホリィがやっと顔出てきましたが、かわいーけどまた消化しなきゃいけないネタ増やしてどうすんだろう……。若セルゲイはほんとアンドレイそっくりでしたね。ただ、セルゲイ・ホリィ・ハーキュリーの過去回想に登場する木陰のベンチが、まんまスメラギ大学時代の回想とかぶっているんですが、他にやりようはなかったんでしょうか。
 アンドレイもアンドレイです。
 父の力は借りないと言ってハーキュリーのコネで士官学校へ入学→舌の根もかわかんうちからハーキュリーを非難。何やってんだ。今週はルイスとぐっと距離が近くなって、甲板で寄り添いながら話してましたが、いつの間にそんな親しく……。それ以前に、前回アロウズ辞めろ的なこと言っておいて、今回は二人して軍人としての決意を新たにしているのはどうなんでしょうか。とうとう彼も迷走を始めましたね。このままルイスを沙慈の所へ返すピエロにされそうな感じ。
 ハーキュリーとかホリィとか、もっと以前から積み重ねがあるキャラだと面白かったんでしょうけれどねえ……。
 ああ、そういえば「セルゲイ専用タオツー」ってどうなんでしょう。タオツーって超兵仕様ティエレンですよね? なんでセルゲイが乗れるの? まさか知らない間にセルゲイまで脳量子波使いになっていたとかやめて欲しいのですが(それ以前に連邦パイスーの絶望的なダサさに吹いた。人革士官学校の制服がダサいのはらしいからOKだけど)。
 で、メメントモリって実はもう一基あったんですね。前のあれは簡単に壊されすぎでしたし、今度はもうちょっと気の利いた攻略戦を見せてほしいものですが……。あれ撃って軌道エレベーター倒壊とかしないよね……? しかしアロウズ悪役の見せ方がいい加減幼稚な気が……。
 正直、今の制作が何を見せたくて00をやっているのか分かりません。ミン中尉の和解フラグへし折りが無かったことのようにされたり、キャラが多くてぜんぜん捌けてなかったり(人気あるキャラ殺せないアニメですよね)、何もかも不自然で。監督が以前「ネットの匿名アンチがスタッフのやる気をそぐ」と言っていたけど、アンチでなくとも文句を言いたくなる内容かと。
 つか今回に至っては、キャラが自分の言った台詞すぐ忘れている始末。「ガンダムというブランドだから」叩かれるんじゃなくて、「作品としてダメだから」叩かれているんですけどねー。00一期のころは、同じ脚本家の作品であるスクライドを見ようかなと思ってましたが、今はもうそんな気も起こらず。ふぅ。

今月の00外伝(FとP)

 ガンダムAの00Fで「トランザム同士の戦い」が出てきたのは、放送と合わせてのことなんでしょうか。
 ヒクサーFがようやくヒクサーPと繋がっていることが確定しましたが、やつはどんだけグラーベ好きなんでしょうかね。例えて言えば、ブラスレイターにおけるヘルマンにとってのゲルト、みたいな。グラーベもパイロットとしてヒクサーの腕を信用していないわけではないんでしょうが、今のところヒクサー側の感情しか出ないのでよく分からんち。
 補給物資にあったデュナメスのライフルをゲットしてたヒクサー。サダルスードにもスコープなんてついてたんですね。
 それにしても、今月のPで完璧超人を通り越して化け物の域に達しつつあるグラーベですが、その彼がヒクサーの判断ミスごときでどうやったら死ぬんでしょう。セファーラジエルの運用中の事故、とか考えていたら、普通に回想では私服ですし。人間同様水とタンパクで出来ているから、一定の電力で感電死するぐらいのかわいげはあるみたいですが(笑)。アグリッサ7vsラジエルの図は、モロに砂漠戦エクシアとアグリッサでしたね。
 で、F最後に「黒いプルトーネ」が……。おいおい、どの太陽炉使ってんだよあれ。パイロットが顔隠したままだから、ヒクサーが乗っているんではなさそうですけれど。まさか生きていたグラーベとか?
 一方、電穂の00P。お便りコーナーでキャラのプロフィールや身長対比図があるのが嬉しい。グラーベの年齢が22歳……? それは外見のことか実年齢のことなのか。イノベとして生誕22年とかなら、他のイノベに比べてかなり人間的でまっとうな精神をしているのも納得できますが。あとヒクサー、18歳てお前まだ十代かよ!
 が、本編に出ているかどうかの差で、相変わらず若イアンとモレノがグラーベヒクサーコンビを抜いて人気のもよう。まあ仕方ないか。で、今回はグラーベ人外確定ですな。レナードが脳量子波感知したっぽい台詞もありますし、何より「生まれた瞬間からガンダムを使って戦闘できる」って。あと、どんだけ苦痛を受けても(脳が沸騰していても!)戦闘可能だそうですが、じゃあ同類のハズのティエリアが砂漠戦で抵抗できなくなってたのは何なのでしょう。15時間持久戦の後だから?
 今回の対戦相手はAEUパイスーでアグリッサタイプ7を操るフォン・スパーク。この偽名は彼の笑い声からつけられたニックネームだそうですが……弾けるような笑い声? で、御年13歳なはずなんすけど、ぜんぜんそう見えないあたり、やっぱあげゃは老けているなあ。まあ老け顔のほうが、歳食った時にあまり老けないんでしょうが。確か昭和のころに女子中学生が年齢詐称して風俗営業して、逮捕されて年齢が出たらみんな驚いたって事件があった気がしますが、あげゃもあんな感じか。13歳で傭兵隊長ってw
 あと、セファーラジエル第五形態は相変わらずビット付けすぎですね。えーとほら、千手観音とか密教の神さまみたいっす。ヴェーダは「増やしゃいいんだよ増やしゃ!」って設計思想だったのか。止めるものなんて何もないしな、やりすぎw