ホラーM二月号

 前回は逃したが今月はゲット! 新しくアンソロが出るそうで、さてどうしたものか……。
美女アマンダ(三家本礼
 川島君がいづみや安藤に見えてしかたないw
 タイトルがアマンダで「働けない体」とかあるから、てっきり前の読み切りみたいに二次元キャラなのかと思ったら違った。バスケットで持ち運んでいるってことは、首だけで生きているのか? あと、じいさんが「醜くなった」と言っていたのに顔はそうでもないのよね……(まあボディは実にクリーチャーな八乳形態でしたが)。
 スプラッターシーンの迫力というか、豪快さはいつも通りですね。ズバーッて。カラー表紙を見ると、三人が徐々に追い詰められていきそうなのに、全然そんなことなく瞬殺なのはミカモンならではか。あと、助かったと思った時の伊原ちゃんの黒さが良い。
KATANA オロチ刀(かまたきみこ
 オロチ可哀想過ぎる……。イイ最終回でしたね、続きはアンソロジー「トカゲ」で! まあそのほうがホM本誌的には良いかも。別に作品自体が悪いんじゃなく、雑誌に合わない感じがしている作品だしね。
 にしても三輪さんは最初から最後まで、憑かれてても憑かれてなくてもウザいおっさんだったな。
もののけ草紙 獣の記憶(高橋葉介
 このシリーズで夢落ちはお約束みたいなもんだな。だがいい話だった。
「獣」や「彼女」から「女」になったのが悪かったのかとちょっと思ったが、ての目の反応からすると別に関係ないのか。この手堅い安定感と手の目の美しさこそ、この作品至高の魅力ですのう。今月も綺麗だった。
ミスミソウ押切蓮介
 …大丈夫…捕まっても平気よ その時 私には 自信がついているから
 自信のないビクビクした人生を歩むくらいなら 死んだほうがマシ

「じゃあ死ね」などとは言えない、壮絶な流美の表情。優しくされたら生きていけない、それほどに思い詰め、追い詰められている。
 四ヶ月ぶりに読むミスミソウですが、やっぱり凄い。冒頭、子供がいなくなった親たちがどんどん南先生を問いつめようとするけれど*1、そこからゾクゾク来て、次に流美のターンでガッと盛り上がり、吐き気がするほど引き込まれてしまう。
 今までずっと優しい母親として描写された流美ママも、南先生を問いつめた吉絵ちゃんの両親や真宮親との対比で、いっそうその「優しさ」が際だつ。優しいから、その優しさを拒まずにはいられない流美が、痛々しい。
 もちろん流美のやったこととかも許せないし、「人を殺した」ことをおじいちゃんに言えない春花と対比すると、殺人を自信に繋げる流美の考え方は到底褒められない。褒められないが、一方的に責めるとか怒るというより、哀しさを感じてしまう。お母さんをババア呼ばわりした時は、わーこいつサイテーって思ったけれど……。
 彼女は春花を殺しに行くんだろうけれど、最後はやっぱり死にそう。誰に殺されるのかはまだ予測しづらいけれど、あんがい南先生だったりして? 先生もますます狂ってて、これからどうなるかハラハラします。というか、この漫画自体読んでてヒリヒリする。
 だがまあ、一方的に安心して腹を立てられる相手はやはり相場ですね。もうおじいちゃん逃げてとしか。フラグ立ちまくりで春花が更に追い詰められていく未来しか見えない。こうなると、次回は相場がタエちゃんに罪をなすりつけて、でも和解済みの春花はついに相場の本性に気づくってところかな? 最後はやはり相場と春花が相打ちで、しょーちゃんだけ生き残るエンドでしょうか。
 しょーちゃんはミスミソウ最後の希望です。
 あ、新しくウィキペディアにも項目が出来ていましたね。前は植物の項目しかなかったので、なんかめでたい。
ハイエナ少女と血のガッツ(灰野りつ子)
 アオリ文を信じるなら、作者は三年ぶりの復活ってことですか。ホMスレでは待望されていた作家さんで、読んでいて妙な迫力は感じるんだけれど、画力がちょっと稚拙かなという印象。「ラーメン代」のコマも、やりたい狙いは分かるけれど、それが全然成功していない感じで、見ててアイタタってなる(でも線自体は生き生きしているから、稚拙と言うよりクセが強いと言うべきだろうか?)。
 しかし、後のだんだんヤバクなっていくお母さんの顔とかは普通にホラー。
 話は中途半端なところで終わっていて、スーツの男も正体が全然分からないし、テンドーがなんであの男は危険だって気づけたのかも分からない。なんかホラーM編集部の悪い癖なのか、ミスミソウ同様、これは一話で終わるんじゃなくて続くようですね(次回予告に名前がある)。なんでハシラでちゃんと続くとか書かないんだw
新呪いの招待状 ホームタウンの奸計(曽弥まさこ)
 今回は隣人トラブルと、それによって引き裂かれる少年少女のお話。おおらかな家族が、DQN隣人によって荒んでいく過程が生々しくリアル。同じ状態に陥ったら、自分や家族もこうなりそう……と思わされる。ここはさすが大御所ですね。
 反面、二人の心中が安易なのが残念。普段は死にたくない人たちがばっさばっさ呪殺されているしなあ。
相羽奈美の犬(松田洋子
 教育実習生の男がキモすぎる……いやそういう風に書いているんだろうけどね。ただ、毎回落ちが奈美さんに害なす男を噛んで(犬にして)終わりでちょっと飽きてきた。まあその意味では、今回の犬要員のキモさは良かったけれど。
辻占売 ウィンター・ミッション(池田さとみ
 なんといか「私が体験した不思議な話」を、家族愛のストーリーに綺麗に仕立てていて手堅い。落ちは最初読んだ時えっと思うんだけれど、そう意外性があるわけでもないよなー、と。でも普通にいい話。食事中に携帯をいじるのはやめましょう。
嘆きの天使(熊谷蘭冶)
 単行本読み終わったところなので感慨深いな。あとなんか絵がまた上手くなった気がします、ジークリンデ綺麗!
 修道院を出てから一気に時間が飛んで、芸大を卒業したジークリンデのベルリン編開始。さっそく鉤十字が出てきたり、ゲストキャラがユダヤ人だったり、最後に収容所が出来たとナレーションが入ったり、どうやら本格的に時代背景が物語に影響する感じに。二十年代の芳香は消え失せた、ってことは、いま三十年代ですかね。
ヨーゼフ「僕が君たちに何をした!?」
 浮気したり、いきなりトイレでジークリンデに迫ったりしたじゃん……。可哀想だとは思ったけれどよ。
 ジークリンデはすっかり「女」になりましたね。
 少女時代のひたむきさ、潔癖さが消えて、大人の生々しさが身についた感じ。それが寂しいような残念なような……。ドロテアは相変わらず引きずっている(というか幻覚に見てる)けれど、狂気の片鱗がどんどんふくれあがっている感じ。
 ドロテアとミヒャエルの子は成長して登場するのかな。
デス・ストーカー(秋乃茉莉
 こちらもアンソロジー移動組。ということで見事最終回っぽく綺麗にまとめましたが、矢が現代まで飛んでいくのは正直フイタ。
芥〈あくた〉(芝原むかで)
 男の会vs女の会とゆー、なんかアホらしそうな団体が対立している……ってのは、鬼部の話を思い出しますね。
 連載も可能なホラー系ヒーロー物を目指した設定という感じだけれど、まだ説明不足。というか、なんで地獄の鍵を集めるのかがピンと来ない……。連載物とかだと、そういう主人公の最終的な目標とかは謎として引っ張ってもいいんだけれど。
 芥の場合は説明不足というか、それを集めて何をしたいのか、通りの説明ぐらいは欲しい物。ああ、あと妹についても唐突というか。意外なオチを狙ったら説明不足で失敗した感がぬぐえぬ。
 でもむかでさんには頑張って欲しいんだぜ、今回はわりと好きだった。
神の子供(西岡兄妹
 バカが。
 なんか不安だったが面白くなってきた。前回を見逃したのが実に悔やまれる。……というかあんな生まれでも、まともに育てようとする両親がいたのね。
しりこだま(柳田やなぎ)


 それにしても、アンソロ。
 読みたいのが矢萩さんの『薔薇のヴァンパイア』とランヤの『嘆きの天使』しかないがどうしたものか。3/25発売☆千円ポッキリってどーいうこった編集部。ホラーMは次回もミカモンがいるし、普通に買いたいけれどアンソロは悩む……。

*1:吉絵死亡から一週間。もうそんなになるのねー。