機動戦士ガンダム00P―ガンダム00公式外伝! 1・2
機動戦士ガンダム00P vol.1―電撃ホビーマガジンスペシャル
- 作者: 電撃ホビーマガジン編集部
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2008/05
- メディア: ムック
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機動戦士ガンダム00P vol.2―電撃ホビーマガジンスペシャル
- 作者: 電撃ホビーマガジン編集部
- 出版社/メーカー: アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2008/10
- メディア: ムック
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一巻はアマゾンでわりと在庫があったけど、二巻は中古しかないので、仕方なくbk1で購入した次第。
さて、一巻二巻は本編から15年前。第二世代ガンダム(第一世代はOガンダム)開発に参加した、テストパイロットたちのお話です。登場人物は以下のとおり。
ルイード・レゾナンス 25歳、赤毛。本来はメカニックだが、高いパイロット技術でスカウトされる。人殺しは苦手。
マレーネ・ブラディ 25歳、金髪。犯罪者なので、ヴェーダが反逆を懸念して首に爆弾を装着させている。鉄火肌で優しい性格。
シャル・アクスティカ 16歳、栗毛。女子高生だがワークローダーの競技で優秀な成績を残したことからスカウトされる*1。
ガンダムマイスター874 外見年齢10歳。のちの00Fに登場するハナヨである。今月の電穂で妹ハヤナ(887)誕生の経緯が明かされたが、感謝されてもいい立場のはずが当の妹に逆恨みされていたようだ。哀しい。
第二世代のガンダムは、それぞれアストレア(→エクシア)、サダルスード(→デュナメス)、アブルホール(→キュリオス)、プルトーネ(→ナドレ、ヴァーチェ)。こちらは後にシャルがCBのサポートとして創設した組織・フェレシュテで活躍します*2。
舞台はスペースコロニー『クルンテープ』(バンコクじゃない)。そこで繰り広げられるテストパイロットマイスターの人間模様が見所でしょうか。本編では登場しなかった様々な設定も出ますが、特に重要なのは二巻からか。文章はやや硬い(説明的な)感じがしますが、わりと読みやすく、分かりやすい。キャラクターもよく立っているし、キャラ配置のバランスも良いです。アニメ一期ではアレルヤが後半空気になって「ハブラレルヤ」などと言われましたが、あまりそういうことがない。
二巻では冒頭から「すべてはイノベイターのため……」と874が発言し、色々重要そうな設定が出てきます。
>未熟な人類でも、模造品でもない存在。彼らのために世界のすべてがある。自分という存在も、任務も、使命もそのために。
>彼女は人間を理解するために、人間に似せて作られたモノだった。それでも、同じではないのだ。「似せた」ということは、「まったく同じではない」という意味でもある。つまりは「別物」。彼女を作った存在──ヴェーダも、今ではそれをよく理解していた。彼女に与えられた役割とは別の、彼女よりずっと人間に近い姉弟たちに引き継がれている。
>姉弟たちは、人間と同じ体を持ち、より深く人間社会に溶け込むことが出来た。中には自分が人間ではないことを知らない者までいる。彼らが人間社会の中から見て体験したすべてが、データとして吸い上げられていることも知らずに……。
さりげに恐ろしい話になっているYO! やはりルイスはその「端末」の一人だったのかな?(というかハレヴィ一族)
現在の874の役目は、人間という種のマイスター適性の見極め。当時、マイスターは「人間以外」と「人間」どちらに任せるかという二つのプランが出ており、どちらを採用するか答えは出ていない状態。しかし874は、人間がマイスターに選ばれることはないだろうと判定していました。結果はそこから大いにズレたのは、アニメでご存じの通り。
というか、00P第二部(第一部から10年後、本編5年前)ではすでに、人間の中からマイスター候補を選んで、人外と思わしきグラーベがその素性を洗い直す、ということをしています。ヴェーダに「基本は人間に任せ、その中に人間以外も混ぜて監視させる(そのためのトライアルシステム)」と判定させたのはなんなのでしょうね。
さて、二巻では最初の話から、若き日のイアンさんとモレノさんが登場、合流します。AEUの小型艇に乗っているところをガンダムと遭遇し、一度南アフリカの小さな町まで送ってもらったあと、ルイードの勧誘に乗ることに。「目撃されたからには始末」するのはイヤだったからなんですが、普通に常識的な対応をするモレノさんに対し、ガンダムに興味津々のイアンさんがなんともメカオタク。
なんでそこに居たのとか、そんなあっさり参加していいのかという問題は割とスルーで。メインキャラにしても、CBに参加した経緯とかはあまり出てきません。唯一、マレーネさんの過去と参加の経緯が出てくるんですが、何とも重い。ルイードとといういい人に出会えて、やっと幸せになったのに、長くは続かなかったんだよね……。
フェルトの両親はルイードとマレーネでした。モレノパパ説やシャルママ説もありましたが、結局は一番妥当なところ。「不幸な事故」の詳細も出ますが、これはやっぱりアニメじゃ流されるんですかね。「上位の命令系統からの妨害」って、どう見てもOガンダムリボンズの仕業です、本当にありとうございました。
……あそこでの妨害に、何の意味があったかは謎ですけどね。つーかリボンズ、このころにも、五年前にも、CBにいるんですよね。二部のプロローグでは、ラジエルの最終テストで、サポート役をしているOガンダムが、パイロットのグラーベと通信してますし(ラジエルにOガンダムの太陽炉が使われるので。で、ラジエルからフェレシュテ→王留美が引き取り→00ガンダムとなるのですな)。いつ、どうして、いなくなったんだろうなあ、リボンズ。
ルイードとマレーネの結婚式のシーンは美しかったです。舞い散る桜と、それと同様に美しく散っていくシャルの中の何か。最終回は雑誌掲載時より加筆されたらしいですが、一巻二巻合わせても文庫本一冊もないんじゃないかなあ。それぐらいの分量でじっくり読みたい感じです。ルイードとマレーネの死から立ち直ったシャルの中に芽生える「覚悟」とか、いい話じゃないですか。あと、外伝での若きモレノさんの活躍は嬉しいものが。マレーネに謝るところとか、とことんいい人だし。
一巻では二巻予告で、イアンさんとモレノさんの紹介が載っていましたが、二巻でも同様、グラーベとヒクサーの紹介のほか、第二部のプロローグが掲載。グラーベの言動がどう見ても刹那とティエリア足して二で割った感じです。
おやっさん、こんなのばっかで苦労するわね……。
当時CBは五ツの太陽炉全てを用いて、五体のガンダムで武力介入を始めるはずだった。ところが一年後(302年)にヒクサーとグラーベが共に死亡する事件が起きたらしい。シャルはルイードとマレーネに続くその件に心を痛めたのか、五つめの太陽炉と共に、サポート組織フェレシュテを創設したってところか。で、F第二部ではPのネアカ天然青年から、えらくクールになったヒクサーが登場しますが「彼は死んだのよ」とシャルが言い切っているわけで。
ヒクサーとグラーベが共に死んで、太陽炉がラジエルから取り出されたってことは、セファー(ヒクサーが乗るサポート機。GNアームズのプロトタイプ)とラジエルが合体事故でも起こして、双方大破したとしか思えませんな。二部一話のあれは死亡フラグなのか…。Fではヒクサーが「とても大切な仲間を裏切った」ということを発言しているんですが。さて、それは事故なのかミスなのか。爆弾付き首輪があるところを見ると、ヒクサーに少なからず責任があるみたいだけれど、さてはて?
単行本化には時間もかかるし、雑誌で連載を追っていこうかなあ……。
あ、あと二巻あたりからやたらと誤字が多いのはなんとかならんでしょうか。攻めるな(責めるな)」「返ってこい(帰ってこい)」とかとか。二部キャラの紹介で「エージョント」ってエージェントの間違いなんでしょうけど、連載のほうでも直っていないのはどうしたらいいものかw 今月号でも「アクセス件」「ヴェーダに変わって」などの間違いがありました。大丈夫なのかこれ。