つらつら草
00は地味だけど細かいところでよく出来ている、いわばスルメタイプの作品なのですが、時々「ん？」と思う箇所もあります。
一期における刹那とマリナの出会い方とか。麻薬畑を焼き払って、人を焼かずに済んだと安心する、いまいち思慮の足りてないアレルヤとか（あれから彼は、あのミッションの意味にちゃんと思い至ったのかなあ）。無意味に結婚式場焼き払うネーナとか。
……まあ、これは他媒体で補完された裏設定から考えると、多少は納得がいく部分があります。ルイスが「元々端末組」と考えれば、リボンズの目になっているのも、脳量子波使えるのも腑に落ちるし（そもそもリジェネに見出されたのも）。ネーナが攻撃したのは同類*1が結婚式ではしゃいでいるのが分かってブチ切れたから、という。実際そうなら、ハレヴィ家は端末組と人間の混血一族になるのかな……（人間と同じ体を持つとあるし）。
ただ、これって一期11話で「アレルヤは機関攻撃する時、なんでマリーのこと考えなかったの？」という疑問に対し、ファンのほうで「脳量子波で無意識にいないと感じていたから」「ハレルヤがマリー＝ソーマと知っていたから」という具合に解釈できるようなものというか。公式ではちゃんと補完されてないので、どうかなーというのと同じなんですよね。あー気になる。
さて、DVDと再放送で鑑賞した一期と異なり、二期はリアルタイム（たまに録画）で見て、その日のうちに感覚の趣くままソッコー感想を書き上げているのですが。時間を置いてみると、やはり「ん？」と思うこともしばしば。そういう、毎週の感想から漏れた雑感などを書いてみたり。前振り長いね。
前回、八話の感想で「ティエリア成長したな」と書きましたが、確かに人間らしくはなったんですが、リボンズに切った啖呵そのままじゃ駄目なんですよね。いやあなた、がむしゃらって「がんばります」ってのと同じでしょと。がんばるだけじゃ駄目なんだぜー、結果とか具体案とかちゃんとあんのー？ という。
一期刹那のうっかり加減が八話でも響いたりしましたが、冷静に考えると色々ご都合的ではあります。お前ちゃんと変装しておけよとか。まさか移動にガンダム使っているとか、おい待て、ガンダムの光学迷彩への対応ってやってないのかよ連邦、とか（まあアリーいたけど）。多少のところはキャラクターの動きで誤魔化しているとも見れなくもない。
期待したいのは、こうした「違和感」が「狙ってやったもの」であること。
一期から自己ツッコミをしてきた作品ですから、今さらアロウズを懲らしめてりゃそれでよし、の勧善懲悪というか、刹那たち「CB残党」側の主観的正義に終始してほしくない。一期のCBなら、タリビアの一件のように「アロウズもカタロンも両成敗」になるはずでしょう。でも今回は一方に肩入れしまくっています。カタロンとアロウズに対する主観的（一元的）な描写を見ているとどーにも不安に。新生CBの現スタンスが、いつか彼らの足下を掬うことが起こるかもしれません。
それに、アロウズってもう一つのCBですものね、虎の子の太陽炉の生産性を向上させて量産型に変え、質から量へ切り替えた。連邦の黒幕にはリボンズとヴェーダがいて、カタロンは一期の国連軍そのまま（旧式のMSと国際色豊かなパイロットスーツの数々）。世界は実質、ソレスタル・ビーイングのものと言っても過言ではない。
あれもイオリア、これもイオリア、あっちはCB、そっちはヴェーダ。まさに掌の上。
二期の世界はCB＝イオリアと、アロウズ／イノベイター＝ヴェーダの勝負という見方もできますし。リボンズの言うようにあれがそもそもの計画通りなら、アレハンドロとかたき付けなくても、致命的なタイミングでヴェーダがリンク切ったりしてもよかったはず。監視者の中に、最初から疑似太陽炉やジンクスを流す役目を持った人がいたりとか。
だがイオリアはシステムトラップを仕掛け、トランザムやツインドライブ、様々なものをCBに遺しています。
イオリアとヴェーダはそれぞれ作中で「神」の立場にいるわけですが、ヴェーダは「人間信用できないから、自分で言うこときく人間（イノベイター）作って使おう」と人間が嫌いな神様。イオリアは「人類戦争ばっかしてどうしようもねー、おめーらしっかりしろ」と、人間に困って呆れているけど、でもまだ信じたい神様。
イオリアが勝つか、ヴェーダが勝つか＝人（CB）が勝つか、天使＝イノベ（神）が勝つか。
まあ話としては前者でないと困るんでしょうが（監督発言がちと不安だけど）、そこまでの描写が果たしてどうなるか。今のままじゃただの勧善懲悪になるわけで、理念も何もなくただ感情や私怨に捕らわれて動くCBが勝っても面白くない。キャラドラマは面白いけれど、好きな作品だし、何かまたやらかして欲しいものであります。
とりあえず、公式外伝00P、一巻二巻をやっと読了。色々ネタが詰まっていてよい感じです。感想は後日。
