なんかへこむ。

 ラノベの台詞のクドさってなんなの?
 違うんだ……。クドいけど全てがそうじゃないんだ……。うん……。

                                                                                                            • -

 落ち着いてきたんで追記しておこう。
 上記のリンク先より抜粋。

1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/11/05(水) 17:33:54.08 ID:0tZgu03W0
あれって作者は「うはww俺すげえ文才あるww」とか思ってるの?
5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします
投稿日:2008/11/05(水) 17:35:18.93 id:eV7iFXAH0
多分ボキャブラリ少ないんじゃね?

 この後、例示として「よく分かる現代魔法」の一文が出てくる。確か初期は文章力がどうのって言われてたっけなあこの作品。今はそれも向上して、アニメ化も来ているわけだが初期バージョンだっけこれ。
 まあとりあえず、リンク先の記事の言い分もわかるんだが、それははっきり言って見識が狭い。自分たちの世界に合わないからとキチガイで片付けようとしているだけなんである。語彙が少ないなどという指摘からしてお門違いだ。なぜ文章がクドいかって? 中二かって? 中二を対象読者にして商売しているからさ!
 スレイヤーズ! の神坂一だって、エンターティナーに徹してあのヒット作を生み出した。ラノベはいつか卒業していくものだと言われるジャンルであり*1、ゆえに在校生以外が読んでもあまり面白くないのは仕方ないのだ。五十代のおじさんが猫の地球儀を読んで「どこが面白いか分からない」とのたもうたように。
 商売であるからにはシビアだ。編集の意向+読者のニーズ、それに作者は答えなくてはならない。ラノベでラノベ読者に受ける文章を書くからには、当然作者にもその素養(中二ソウル)があるわけだが、そのパラメーターの高低はどうあれ、プロであるからには確信犯であると思ってほしい。本気で中二文体書いてうはw俺文学者wみたいに酔っていてはいつか行き詰まる。
 徒然草とは逆なのだ。
 もちろん世の中には、スレの中であげられたような作品ほどではないクドさウスさのあっさり読みやすいラノベもたくさんある。が、それはどっちが優れているかという話ではないし、結局ストーリーやキャラを切り捨てることもできない。
 例えばラノベキャラの台詞とはおかしなもので、まず現実にあんなしゃべり方をする人たちはいない(いたら逃げる)。おかしな語尾や人称なんかがその代表例だろうが、それ以外にも、日常生活ではまずやらない言い回しってのもある。まあ作品世界がそもそも現代日本でなけりゃそれはそれでオッケーだが、現代劇でもそういうことはままある。
 だが、ラノベはフィクションであり、それは演劇世界の台詞が「芝居がかっている」のと同じだ。現実にフィルターをかけるのがフィクションの役目である。まああんまり現実離れしているとおかしくて読めないわけだが、そこはそれ。
 ラノベのクドさは、求められたクドさなのだ。
 まあそれはそれで置いといて、俺は俺で良いと思える文章を書くよう努力するまでなのだが。

*1:まあ最近はラノベを卒業したはずの世代にも広く読まれているし、その世代が読んでも耐えうるレベルの作品もある。ラノベから一般に進む作家もいるし。作家もある意味ラノベを卒業するのだ。逆にずっとラノベで書き続ける人もいる。そしてそのことと、ラノベしか書けないのとはイコールではない