片岡人生、近藤一馬『デッドマン・ワンダーランド』4巻
「黙って。…それ以上言われたら──性根が黒うなるわ」
デッドマン・ワンダーランド (4) (角川コミックス・エース 138-11)
- 作者: 片岡人生,近藤一馬
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/10/25
- メディア: コミック
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デッドマンの能力が少し明かされましたが、TZD製薬化学防疫研究所ってDWの前身ってことは、ガンタの母もここにいたってことかでっか。
さて、所長の屍体を見つけて大はしゃぎの玉木、さっそくボーリングなんかしちゃってます。生首で。人間の頭なんてうまく転がるもんじゃねーのに、器用だねー。ああ、そういえば数年前もオーストラリアで似たような事件あったな……。所長お付きの美女二人は、相変わらず感情を押し殺して無表情。いい加減名前とかでないかしら。
今回は視察に乗じて、マキナ看守長も動きます。果たして狐の尻尾はつかめるのでしょーか? しかし主食がアルコール、デザートがステーキって、サヤやんみたいな食生活だなあ……。
最近ヌルい気がしていたんですが、今回でまた残酷描写が盛り返しました。強酸っぽいもので人間を溶かすロボとか。人は燃やされるわ撃たれるわ切り刻まれるわ、メインキャラではオウルさんが「凌遅(リンチ)」されましたし。近頃の少年漫画は、腕切断をああもしっかり描写してOKなんすね。
さて、やはり今回インパクトがあるのは、やはり墓守の橙火花ちゃん(しょうがくにねんせい)。気の狂った母親に虐待洗脳教育を施され、幼稚園生にしてバラバラ殺人を起こし、墓守の更正プログラムとやらで脳のリミッターを外された怪力娘です。古今東西の拷問と処刑法に詳しそうですね彼女。次元がうんたらかんたらという電波語録は楽しかったのでまたの登場を楽しみにします。いや人間としては最悪ですけど。ブララグのヘンゼルとグレーテルをもう少しエンターティメントに脚色した感じで。
彼女と死闘を繰り広げたオウルもまた、魅せてくれます。「こんな事で反省を促せるのは覚悟のない人間のみですよ」「あなたの血の雨にご注意ください」などなど名言連発。満身創痍でも超冷静、士気軒昂。そんな彼に超坊主(フライングVは修理しました……って、なんですかそのデスペラード)はご執心の模様。うーん、この二人腐人気ありそー。
ただ、超坊主が「イカれてる」ってオウルを評するのが気になります。確かにあの覚悟の決まり具合は本当に人として色々トンでいますが、それだけじゃない感じがするんですよね。唐子が爆弾の件を知っていたなら、黙っているハズがないし。なら「ニセモノ」の意味は……*1。どうもオウルは何かを間違えている気がするんですよね。
にしてもこの作品、ガンタやシロなど一部メインをのぞき、新キャラが出ると前のキャラが結構おろそかになるような気が。アザミは最初ヒロインっぽかったけどさっぱり出番はないし、水無月はショートヘアお披露目したけど出番は短く。千地さんは「セコイぞ!」が少ない登場でも笑わせてくれてナイスでしたが。羊くんもほとんど寝てたしねー。いかにも何かありそうなヒタラじいさんや、チョップリンの能力・本性なんかをずっと待っているんですけどー。そしたら今度は、激強のデッドマンらしきモッキンバードという名前も出てきて。ぬぐー。
今回、ガンタは今ひとつ影が薄いというか、あまりメインで戦っていない印象から、影が薄い感じに。ただ、赤い男との対決に向けて色々揺れています。復讐の対象は、どうもあれっぽいからなあ(そういえばカラーページのチャイナシロは大人っぽい感じだったから、あれはレチッドエッグのほうなんだろうなあ)。最後、シロの「あーおいし」から果たしてどう動くことやら……。
*1:やっぱり、外にいる子供なんて彼の妄想かなにか?