第19話『絆』

 すっかり再放送を逃し、DVDで補完。特典映像のPV(店頭用)見てると、ダブルオーが普通のヒロイックロボアニメのようだな。編集でグラハムの「まさしく愛だ!」発言への刹那の返しが「貴様のその歪み〜」と、全力で拒否している感じになって大笑い。
 今回は、とうとうトリニティの過激行動にブチ切れた刹那が、トリニティチームに単騎突入をかけるという、燃えるシチュエーションで開始です。とりあえず、冷静に通信を試みる長兄でしたが──、
ヨハン「我々は戦争根絶のために……」
刹那「違う! 貴様はガンダムではない!」
ヨハン「錯乱したか……」

 無理もねえ、一見すると全然会話になってませんからね。刹那語ではガンダム=戦争根絶(を体現するもの)なので、意味が通るんですが。初めて刹那の「俺がガンダムだ」発言に周囲が困惑したのと同じようなもんで。
 ヴァーチェも加勢に現れ、戦術フォーメーションを駆使してのバトルに。一応あったんですね、連係攻撃。マイスターズって仲悪いしなあ……。だからこそ、スメラギさんもフォーメーションの使用を聞いて顔をほころばせたわけですが。二期ではこういうのがもっと見れるのかな? 敵は疑似太陽炉搭載型ばっかりになるから、ガンダム一機一機が連携しないときついでしょうし。
 バリアを張れるヴァーチェを盾に、エクシアが強襲とか、エクシアの背後からチャージを終えたヴァーチェがバーストとか中々有用な型が揃っています。
ハロ「ドウスル? ドウスル?」
ロックオン「ぶっちゃけ、撃つ気満々だ」

 トリニティの存在が腹に据えかねていたトレミークルー、ティエリアの行動を聞いて、ロックオンにもGOサインを出します。しかしクリスって、いつの間にかヨハンとのツーショットなんて撮っていたんですね。「イイ男なのに……」とかって言いつつデータ消去してますが。この面食いめ。
 世界が変わりさえすればそれでいい。そううそぶく王留美は、どうにも考えなしに見えて仕方ない。危険な人物であることは以前の発言からも演出されていましたが、「どう変えるか」という肝心な部分がすっこ抜けている感じがやばすぎる。
ティエリア「君たちはガンダムマイスターに相応しくない。そうとも──万死に値する!
 ナドレでスローネアイン・ドライを落とすティエリアティエリアの口癖(万死)がこんなにかっこうよく決まっているのもこのシーンぐらいですな。
 が、ナドレ@絶望毒電波(るんばるんばるんばるんば)も、アレハンドロ(リボンズ)の介入によって無効に。10話からもったいぶっておいてこの扱い(笑)。二期では挽回できるんでしょうか、もうヴェーダないけど。
 ロックオンが駆けつけ、三対三は分が悪いと見たトリニティは撤退を選択しますが(引き際のよさにかけては、ヨハンはトレミーの誰よりも上じゃなかろか。この話の辺りから、トリニティは逃げてばかりになるだけですが)、ロックオンの過去への言及を残して去っていきました。
 長兄の捨て台詞に困惑するマイスター三名(アレルヤはトレミー護衛のため留守番@ハブラレルヤここにあり)。
 てな具合にAパートは終了し、Bパートはマイスターズの話の前に、沙慈とルイスの悲劇続編&世界情勢パートになります。
 世界に残したトリニティの傷痕が癒えるには、時間はあまりに短い。アイリス社には遺族が花をたむける様が報道され、ルイスもいまだ入院している。沙慈はそんな彼女を気遣うが、とうとう別れの時がやってきた。ことここに至って、沙慈が去るまで涙を堪えて笑い続けるルイスがいい女に成長しました。二期では大変なことになっていますが、あーららこりゃりゃ。
 美しい思い出メモリアルが流れ、失意の沙慈に追い打ちをかけるがごとく、絹江姉さんにも死亡フラグの影がちらつきます。
 刹那とロックオンの因縁。ロックオンはテロで家族を失い、そのテロを行ったのは、刹那が属していた組織。
 ロックオンが語る、10年前に終結した太陽光紛争。
ロックオン「だがな……。神や宗教が悪い訳じゃない。太陽光発電システムだってそうだ。けどな。どうしてもその中で、世界は歪む。それぐらい分かってる。お前がKPSAに利用されていたことも。望まない戦いを続けていたこともな。……だがその歪みに巻き込まれ、俺は家族を失った! 失ったんだよ……」
 刹那に銃をつきつけるロックオンを止めようとするティエリア。いつかの光景とは逆の構図。
ロックオン「人を殺め続けた罰は、世界を変えた後に受ける。だがな……その前にやることがある。刹那。俺は今、無性にお前を狙い撃ちたい。家族の仇を討たせろ。恨みを晴らさせろ」
 そして響く銃声。
 顔のすぐ傍をかすめた銃弾にも、刹那は微動だにしませんでした。それはロックオンを信じていたからか、撃たれてもいいと思っていたからか。両方かな、やっぱり。
ロックオン「刹那、これだけは聞かせろ。お前はエクシアで何をする?」
刹那「戦争の根絶」
ロックオン「俺が撃てばできなくなる」
刹那「構わない。代わりにお前がやってくれれば。この歪んだ世界を変えてくれ」

 このシーン、険しい顔のまま表情の動かないロックオンですが、目元だけが唯一震えています。結局、刹那のガンダム発言で笑って矛を収めることになるわけですが、それまでにどれほどの葛藤があったやら……。
 前半、トリニティと交戦する刹那へ加勢に向かうロックオンは、やっぱり世話好きのお兄さんなわけで。銃を突きつける彼とはもの凄い隔たりがあるんですよね。
 こうして三人に確固たる絆が生まれました。アレルヤを除いてなあ!(涙) 捕虜展開への布石だったのかしら……二期では彼にも絆ができるといいなあ。このロックオンはもういないんだけどね……(二代目−、がんばれー)。
 三陣営に太陽炉とジンクスが渡され、今回は終了です。