白鍋恨み節

 数日前──シチューが食いたくて夕飯に作った。でも体調的な理由でその日は食わなかった。
 翌日──朝から食うには重いので、仕事を終えて夕食に食べるのを楽しみにしていた。
 帰ってきた──休みで家に居た弟とその友人が美味しくいただいてましたとさ。
 俺はリベンジを誓った。必ずじっくり煮込んだ美味しいシチューを食ってやると。
 で、今日。生クリームを買い忘れるという失態を演じながらも、わくわくしながら野菜をKillことしばし。肉を切る段になって、ふとあることに気がついた。試しに冷蔵庫を覗く。買い物袋も覗く。結論は明白だった。
ぬえや「シチューのルー買い忘れてもーた……」
 OK、ポテト&キャロット、貴様らの運命は今、シチューからカレーにジョブチェンジさ♪
 幸いにも牛肉とカレールーならあった。ただ炊いた米がちょっと少なかったが、うちひしがれた俺には関係なかった。
 シチュー、食いたいです。


 世間から遅れることしばし、オイレンシュピーゲル4巻読書中。このシリーズは凄い面白いけれど凄い嫌いという自己矛盾を抱えちまっているので、毎回ページを開くまでかなり億劫。ある意味雫兄貴に話し合わせるため買っている感じもするが、読めばおもしろから金の無駄ってわけでもない。嫌いだけど。なんか、こう、言い表すに足る語を見つけ出せない生理的嫌悪感があるんだよね。露骨に萌キャラナイズされた(でもちゃんと生きている感じがする)主人公の三少女の造形が−、とか、殺伐とした世界観が−、とか、そういう言葉しか出てこない。それは何か違う。そして正体が分からないから、よけいイヤになる。面白い、けど嫌い。
 まあそれはさておいて、パトリックやミハエルがかっこよすぎなのがなんとも。
 あと冲方丁作品自体は好きです。微睡のセフィロトとか、シュヴァリエしかりピルグリムしかり。でもシュピーゲルシリーズは、なー……と。スプライトのほうは、オイレンほど激しく嫌悪しないけど、同時にオイレンほど面白くは思わないという感じかな。あっちはあっちでいいんだけれど。何よこの面倒くさいごちゃった感情。恋? はっは。
 それはそうと、オイレンを漫画化するなら広江礼威で見てみたいものだ。広江絵って似合うと思うんですよね−。