過去を振り返って未来を想う。

 本棚でホコリをかぶっていた都市シリーズ『風水街都香港』を取り出して、今頃読み出しているぬえやです、ごきげんよう
 うーん、都市シリーズってもう出てから十年経つんですね。そんで更に終わクロとかやっているんだから頭が下がる。都市シリーズは高校のころ、パンツァーポリス(旧伯林)、OSAKA、エアリエルシティだけ読みました。OSAKAのゲームってやったことないけど、まだ手に入るのかしら。
 香港上巻を読み終わりましたが、ぶっちゃけあまり文章上手くないなあと思ったり。並び替えて繋げれば一文に収まることを、ブチブチちょん切って改行しまくっている。ただ、それで読みにくいとかテンポ悪いってわけでもない。第一ストーリーや、何より『遺伝詞《ライブ》』という独自の設定を、描写の中にうまく織り込んでいるのがイイ。マナとかが存在するファンタジー物でも、こんなに自然に、『架空の不思議エネルギー』が存在する異世界を描写しているものってあまり見ないなあ。
 あと、下巻の後書きによると、無駄な言葉遊びが盛り込んであるそうです。実際、上巻を読み返したら本当に会話がしりとりになっているシーンがあって噴き出しました。くぅ、これはタマラン。……ただ、密林で佐藤亜紀(天使と雲雀)購入したので、下巻を早く読み終わらなくっちゃという気持ちでいっぱいです。こっちはこっちで面白いんですけどね。匪天(ナインアンゲル)ってしかしいい名前だ、いや意味は悪いけれど、字面とルビとがぴったり。飛天と意味が通じるし、ナインアンゲルってつまり天使に非ずってことだし。
 ……川上稔のみならず、自分が学生や新米社会人だったころ、新人だった作家さんも随分メジャーになったよなあ。私も早くいかなくちゃ。


 下読みの鉄人さんを読んで、迫り来る電撃大賞一次選考結果発表に向けて、心を落ち着けています。
「世の中非常識なヤツがいるもんだなあ」
 と笑い飛ばすのもいいですが、アドバイスを読んで自分の作品はどうだっただろうかと思い出して戦々恐々。……しかし血とかペットの排泄物がついた原稿送る人間って何考えているんだろうな。以前読んだにちゃんねるのスレまとめ「ラノベの下読みだけど何か質問ある?」では、突っ込みどころのある作品の例がたくさん挙げられていて勉強になりました。あれを聞くと「一次選考なんざ軽いぜー!」という気分になりますね。安易な皆殺し・全滅エンドは禁物だぜ……。
 頭を悩ますのは梗概です。梗概にしてみて「はたしてこの物語は面白いのだろうか……」「はたしてこの梗概は面白さを伝えているだろうか……」なんてことを、限られた文字数の中で試行錯誤。
 それと並行して、次の作品の構想に取り掛かっているわけですが、設定を造るのは好きだけど、ストーリーが思いつかないのは困る。「何を作るか」。これを決めるまでが大変。黒ひまわりは、どう考えても中々面白くならず、別のものを書いたほうがいいんじゃないかと思いながら、どうしてもあのテーマが書きたくて書き上げた。書くものがあって、後は書き出すだけの絶賛執筆中って凄い幸せ。
 あの楽しさを何度でも味わえるよう、がしがし構想すんべ。