第12話『教義の果てに』


 スーパーアレルヤタイムが終了し、これ以後はアレルヤの存在が下り坂的に薄くなっていくので軽めに感想を済まそうと思います。……ほら、前回ちょっと長すぎて反省してるし。
 今回から始まるのは、これまでちまちま登場しては、貧乏っぷりや黒髪っぷりや無能っぷりを発揮してきたマリナ様のお国・アザディスタンを舞台にした物語です。この国では元から、「改革派」と「保守派」とゆー、非常に端的にまとめられた思想対立が存在していました。それは世界の主流となった太陽光発電に対してもそうで、アザディスタンは石油に頼っていたゆえ国際社会の中で立ち遅れているのですが、保守派は太陽光発電への参加を嫌っているのです(主に宗教的理由や外国人嫌いが原因のもよう)。
 さて、この保守派のトップに立ち、信望を集めているのがマスード・ラフマディー氏。彼は個人的にはマリナを応援しており、改革派のマリナに対しあえて反対の立場を取ることで、対立する二者のバランスを取ろうとしているできた御方です。が、その彼がテロリストに拉致されてしまいました。はたしてそれはマリナら改革派の暴走なのか? それとも改革派と保守派の対立をあおりたい第三勢力によるものなのか?
 最悪の事態を考えることを「不吉」と言い切って考えたがらないマリナ。お付きのシーリンは、「最悪の事態を回避するために、常に最悪を想定する」ことを諭します。セルゲイ中佐とスメラギさんの対比に通じるものがあるっつーか、攻撃的でイヤミっぽいけれど、シーリンも出来た人ですね。
 日本では絹江さんが前回掴んだ手がかりから、CBにスカウトされたっぽい学者をリストアップしていました。そんな彼女の元にも、ラフマディー氏拉致の一報は入ります。そんな具合に世が緊迫する裏側で、沙慈はルイスの策略で順調にルイスママと仲を深めていました。
 日本が平和ボケっぷりをアピールしたところで、アザディスタンでは保守派の会議ボイコットなどで状況は更に深刻化。ユニオンが軍事支援に乗り出し、グラハム・ダリル・ビリーといった待ちかねの面々が顔を出しました。人革に遅れを取らないため〜とか言っているので、ぶっちゃけアザディスタン支援を名目としたガンダム鹵獲を目論んでいます。弱者の都合なんぞ知ったこと(ry
 さて、ガンダム大好きグラッハムが出たならば、やはりガンダム大好きせっちゃんが出ないわけには参りません。てなわけでマイスターたちは王留美の用意したアジトでパイロットスーツのまま待機済みでした。とりあえず、ユニオンの介入や改革vs保守などによる内戦勃発を防ぐためにも、ラフマディー氏を救わなくてはなりません。
 アザディスタンは排他的な風土なので、この国の出身(微妙に違うけど)である刹那が情報収集に出かけました。お約束どおり爺ちゃんに「お前クルジス人だな? 顔見りゃわかる。ここはお前がいていい場所じゃない! とっとと出て行け!」とか怒られてしまいました。爺ちゃんの孫は可愛いのに……。後でガンダムでこのジジマゴを助けたりする展開になるかとちょっと期待してたんですが……。
 とりあえず刹那の偵察は特に実りはなかったっぽいです。
アリー「さぁて、今回神はどちらを選ぶ? ま、どちらにしても戦争だがな」
 アリー・アル・サーシェス登場。何とか逃げなくてはと考えるラフマディー氏を捕らえたのはコイツでした。これで犯人が第三勢力なのは確定です。しかし悪役なのにかっこよく見えるなあコイツー。あと、小説版ではこのへんで「隊長特権」として一人だけ冷房の効いたMSのコクピットに乗り込んでてちょっと笑えたり。やっぱ暑いもんは暑いわな。
 夜。王宮の警備に潜り込んでいた保守派により戦闘開始です。待機していたロックオンが迎撃……が、ところがぎっちょん! その努力をアリーミサイルが粉みじんにしてくれやがりました。アザディスタンの太陽光発電(建設中)はアボンです。
 こうなると首都防衛を行うユニオンも黙ってません。が、グラハムはアリーをハワード&ダリルに任せて、一人ガンダム一直線(まっしぐら)です。ハムまっしぐら。ザコMSにはいくら当たっても、00随一の変態ガンダムマニア・グラッハムにはデュナメスの狙撃も無効! さっくりかわし、誰も聞いちゃいないコクピットの中(でもビリーには整備中にレコーダーで聞かれるらしい)で、「人呼んで、グラハム・スペシャル!」と技名まで叫びます。なお、この空中変形技自体はのちに「グラハム・マニューバ」として歴史に名を残すので、あまりバカにしちゃいけません(プラモ説明より)。……ハワードも一応空中変形したけど、未来は性能があがってもっと変形しやすくなるんかな?
グラハム「あえて言わせてもらおう! グラハム・エーカーであると!」
 だから誰も訊いて(ry
 あげくにフラッグでガンダムに蹴りを入れるグラハム。ガンダムファイトじゃあんめえし、MSが人型してんのは格闘技をやるためではありません。普通体当たりだってしません。マニピュレーターがどうなってもいいのか! あ、直すのはビリーか。
 ともかく非常識な攻撃の前に、番組始まって以来初の近接戦を強いられるロックオン。「俺に剣を使わせるとは……!」ってかっこいいんだけど何だか笑えるのはなぜなんだぜ? 虎哲と言っちゃダメか。反撃するものの、「装甲が紙」という設定のはずのカスタムフラッグはなぜか倒れません。きっとグラハムの乙女座粒子でも満ちてんでしょう。
グラハム「よくも……私のフラッグを!」
 直すのはビリーだけどね。っつーかそのフラッグであんた蹴りとか無茶なことをしておいて何を言うか!
 てな具合に盛り上がってきたところで、クーデター勃発により緊急通信が双方に入ります。仕方なくハムは退きました。ようやく見せ場の回ってきた刹那は頑張って市内で暴れるアンフ(00におけるやられ役そのもの)を順調に撃破しました。監視者の国連大使には辛い駄目だしされましたけど。
 そんなこんなで、一晩中戦っていたのか、夜明けの街でも戦闘は続いていました。しかもその中には、かつての刹那自身と同じく、銃を撃つ子供たちの姿が! フラッシュバックする過去の記憶。斃れた友。今度は俺があの時のガンダムに……!
 なんか一瞬、親子丼一歩手前なルイス家が映りましたがそれはさておき!
グラハム「信心深さが暴走すると、このような悲劇を招くというのか……」
 アメリカ人って殆どがクリスチャンだって聞いたけど、ハムやユニオンはどーなんでしょ。さておき、この台詞は最終回にも繋がる伏線の一つですね。
アリー「くそったれが、やってくれるぜガンダム。お楽しみはこれからだってのによぉ!」
 土壌は既に出来ていたとはいえ、まさにこの内戦の火付け役。つくづく00はこいつを殺さないと終われませんね。
 そして刹那は焦土と化した街の中、かつての自分を救ったガンダムのように、今回の戦闘で子供たちを救えなかったことに打ちひしがれていました。
刹那「俺は……。ガンダムになれない……!」
 笑ってはいけません。