田口央斗『機動戦士ガンダム00』1(マガジンZ)

 恒久和平のための時空兵器ガンダム
 エクシア、デュナメス、キュリオス、ヴァーチェ
 4人のガンダムマイスターはあらゆる紛争に介入する!

 いや、時空兵器ってなんだ!(次巻予告ページより抜粋) GN粒子って時空を超える設定でもあるんだろうか。むしろ脳量子波とGN粒子になにか関連性はないのかとかそっちのほうが気になる。
 まあともかく、ガンダムダブルオー、コミカライズ二つ目(OOFは外伝だからカウントせず)。少年漫画的ノリが強かった角川のものに対し、こちらはアニメ本編の政治要素や、CBの矛盾、罪などにも一応触れられています。難点は絵。少女漫画家っぽいというか、さなづらひろゆきが描いたガンパレ漫画みたいな感じ。なぜかモブキャラの顔バリエーション豊かだったりするのに、背景が白く感じられることが多く、キャラの表情や動きにぎこちなさ・作り物感がある(生きている感では角川版のほうが上だと思った)。
 一方、グラハム・エーカーに対する作者の愛を感じる仕上がりになっていますね。なんか原作より耽美にデザインされているし、無駄にシャワーシーンが追加されているし。あと、黒田脚本の没を使用したのか作者オリジナルなのか、グラハム関連は面白い台詞がまだまだ増えてたりします。
「イナクト ティエレン 世界を支配する三国家群を代表するMSと相対したガンダム
 それならトリは私 グラハム・エーカーだろう!!」

 あと、セルゲイ中佐の出番がそれなりにあって嬉しい限り。登場の仕方はまるっきりモブその1でしたけど。
「このセルゲイついておるわ!」
「一度や二度の軍事介入で三百年続いた戦争が終わると思うか!? 甘いわ!」

 でも微妙にキャラが違っているような(笑)。
 ストーリーはわりと早々と進み、1巻の時点でソーマ少尉が登場し、タリビア介入開始まで行きます。あと、マリナさんの初登場がいかにもヒロインでございって点も好印象。絵がアレだと事前に聞いていたので、買うのを迷っていましたが、思ったより酷くなくてよかった。……マイスターの描き方とグラハムの描き方で差を感じますけどね。つうか時空兵器ってほんと何なんだろう……。