屍体が好きです(フィクション限定で)。
 現物は怖いし汚いんで厭ですけど、フィクション上で出てくるファクターやギミックとしての屍体が大好きです。ゾンビとか、ネクロフィリア?とか、フランケンシュタインとか、いわゆるアンデッドモンスター。殺人事件で屍体が出るのもいいです。
 何でと訊かれると考え込みますが、多分、それは絶対自分がなれないモノじゃないかなと。
 だって屍体になるってのは死んでるってことで、死んでるってことはもう自分じゃないんですものね。
 そんで、屍体が動く系のモンスターってのは、結構人間の根源的な恐怖に訴えかける力があると思います。二度と動かないから屍体なのに、それが動くという矛盾。屍体が死なない世界の訪れを予感させる、この世が実は自分が思っていたよりずっと恐ろしい場所であるというその証左。
 それと、屍体ってのは、その時点で全部止まっている。ある意味、その人の人生が完成した形だと思います。死に様にはその人間の全てが現れると言いますし。まあ有機物だから腐敗するんですが、でも死に立ての、あの蒼ざめたデスマスクに宿るのは間違いなく「永遠」だと思うのです。生きている限り人は必ず移ろい、心変わりし、衰え、裏切り、成長してしまう。でも屍体は何も変わりません。そこにあるのは「究極の受動態」であり、裏切らないし変わらない存在なのです。
 屍体は現実として汚い。怖い。そして常識や倫理や道徳がまた、屍体を「綺麗」と思う事を妨げる。だから、なおのこと、「綺麗」と思ってしまう。だから私は屍体が好きです。
 あんでっど★ばにすたも、死体の話だって1巻後書きにあったから読んだんだけどなー。なんか違うんだよなー。カミルはよかったけど。ういうい。


 あ、忘れてた。あけましておめっとさん。


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