DVD8巻〜男爵様は無敵かもしんない〜

武装錬金8 [DVD]

武装錬金8 [DVD]

 公式ファンブックの『武装錬金∞』と、DVD8巻を密林より購入。編集長! おいら今度こそ上納金献上に成功したよ!(誤解を招く表現)
 しかし『∞』だけで1200円すんのに、DVDと合わせて買っても、DVD7巻単品で買ったときより安くついているのはどういう事でしょうか。

第21話「GONE INTO FLAME」

 ブラボーとの決闘に勝利したカズキ。しかしそこに現れたのは、(空気の読めない)戦士長・火ワタリン。朝っぱらから小太陽に腰掛けたりしてハデすぎです。しかも上半身裸。芹沢殿は派手なのがお好みだ!*1 お前戦部と根来が血を流して戦っている最中、何してやがった。原作以上にダラけてますね(墓場のシーンが入ったせいで。根来に核鉄回収命じたりとかのらへん)。
 剛太いわく、ワタリンの武装錬金は「火炎放射能力(バイロキネシス)よりもっと上位」。火渡との初エンカウント時でも「ただのバイロキネシス」とか言っていたから、そんな超能力者が戦団にいるのかと驚きましたが、よく考えたら「バイロキネシス特性を持つ武装錬金」を剛太が知っていたのかもしれません。あるとしたらモチーフは何かなー。こういう想像は楽しい。
 7年前の回想。「食い尽くしは行方不明、食い残しは土石流の犠牲……」てな感じで淡々と語る照星さん。そのすぐ側では罪悪感に押し潰されそうになっている千歳さんやワタリンがいるというのに。この後のシーンでカズキに「残り少ないその命」と抜かしたり、照星さんは上に立つ人間だけあって、シビアでリアリストです。
 しかし7年前のブラボーがあまり今と変わらない気がしたり。顔というより主に声が。ヤケっぱちになって高笑いするワタリンの声は、マッドサイエンティストとか悪役笑いに近い気がして、これはこれで好き。まあムーンフェイスでピエロでスネオでドモンだしな。
 で、現在。口論の末ワタリンの焼夷弾炸裂。炎の海の中、ぽつんと残ったシルバースキンにワタリンは語りかけます。しかしシルバースキンがパラパラと剥がれ落ち、中から現れたのはカズキと斗貴子さん(GO太はシルバースキンAT装備)。自分がその気もないのにかつての友を殺したと思い、ワタリンは大ショックです。しかし打ちひしがれるヒマもなく、激昂したカズキンがサンライトハートで戦端を切りました。
「てめェがとっとと死んでりゃあ、防人は……」
 思いっきり責任転嫁して応戦する火渡。この辺のシーン、大気圏離脱未遂(火炎同化の弱点露見)と、カズキの「死(ね)──」がカットされてますね。後者はカットして正解だけど、前者はどうなんだろう。原作どおりバロンの手に掴まれて戦闘終了、でも良かったと思うんですが。シルバースキンが勝手に動いて止めに入りますが、ブラボーの意識がそこまで残ってた事が凄い疑問ですし。なぜこの演出になったのかなあ。なぜか火の海も一瞬で消えるし。
 さてそんな火傷だらけ(でも服は焦げただけ)のブラボーをウェディング抱き(お姫様抱っことも言う)して、大戦士長・坂口照星登場です。
 場面変わってパピと戦部が交戦した道路。激戦は返してもらったはずなのですが、腕のなくなったままの戦部が気絶から回復していました。いきなり大アップでオサーンの全裸再びです。パオーンな部分は都合よい岩で隠されています。あれを見た救急隊員達はどう思ったんでしょうか。ああ、サンジェルマンみたく戦団御用達なら、『いつものこと』なのかもしれませんね。原作なら一度着替えたから、下半身は服があったのになあ、戦部。
 墓場の根来も担架で運ばれます。武装解除したんで現空間に現れたんですね。しかしパピと戦部が作った道路の穴とか、墓場のあちこちに出来た血痕とか、後始末しなきゃならんものは多そうです。そしてその流れで担架に乗せられるブラボー。
 アニメの照星さんは原作より更に手が早くなっておりまして、出会い頭にさっそくワタリンをシバキます。腰の入りっぷりに愛を感じますね。その後、例によってロートル発言をしたワタリンを画面外に連れ出してお仕置き開始。若人の目の前でそんなに殴っていいんですか。声を担当する速水奨さんの笑い声も素晴らしく、原作の雰囲気をよく再現しています。アドリブなのか、「HAHAHAHA」だけでなく、「ふふははははは」と言ってもいるのもポイント。
 何のかんので「死(ね)」発言のなくなったカズキですが、ブラボーを殺されかけた恨みはまだ収まりません。父親か兄貴のごとく慕っていた師匠であり、それが自分を信念のため人のため殺そうとして、でも必死で和解……した挙句に、いきなり乱入したチンピラにブッ殺され(かけ)たんじゃ、そりゃ無理もねえっすが。というわけで、「やりたいならやってやる!」とワタリンの売り言葉に買い言葉。斗貴子さんが止めるのもきかないなんて、こりゃよっぽど来ています。というわけでぶつかろうとする二人ですが──、
照星「任務は中止、と言ったはずです」
 二人の間に割って入る大戦士長様。一般人より遥かに高い身体能力を持つ戦士達の頂点に立つ男だけあって、軽くいなしています。この後カズキとワタリンは画面外に投げ飛ばされ、剛太をして「ヒデェ」と言わせるほどお仕置きを受けました。投げ飛ばした後、静かにツカツカと近寄る姿が怖いですね。なんか血もしぶいてますよ。剛太も思わず直立不動で忠誠を誓います。サー・イェッサー! ノオォォー・サーッ! センパーファイ!
 さて照星さんなんてお偉いさんがわざわざ出向いてきたのは、ヴィクターが補足され状況が大きく動いたためでした。いよいよ決戦に入ろうという時に、対ヴィクター(のドレイン)の切り札とされる防人@シルバースキンと連絡が取れない。+自分の直感で出向いてみりゃ案の定。溜め息つきつつ、照星さんは「現時点の任務は全て中止」=カズキの再殺も一時中止。反逆者とされる斗貴子・剛太は監視の名目でカズキに同伴。という処遇を伝えました。ワタリンは異議を唱えますが、彼に発言権はないので裏拳が再び叩き込まれます。南無。発言力*2が底を尽きそうですね。
 そしてCM開け。やってきたヘリにブラボーを乗せ、照星さんとワタリンもそれに乗って帰路につきます。原作ではホテルの廊下でかわしていた遣り取りがここで出ますね(7年前の出来事を引き摺っているのは云々)。……あれ? しかしこの言い回しって、照星さんがどこかでワタリンとブラボーの会話を聞いていた事にならんか? 聞いてなかったとしても成立しそうだけど、えらく良いタイミングで助けに入ったしなあ(笑)。
 再び7年前の回想で、幼とっこさんなどが出て、照星さんが「部下はみんな私の大のお気に入りですから」の殺し文句で締めくくった後、場面はヴィクターに移ります。今なんか誤変換でヴィ苦太とか出ましたが、あまり間違っていませんね。バッドエンドの主人公その後系ラスボス。
 そのヴィクたんは黙々とエネルギードレインでお食事中。虫や鳥がポワワワンと吸い取られてはバタバタ死んでいきます。今は無事ですが、そのうち植物も枯れていく事でしょう。そんなヴィクターが自分を監視する錬金の戦士・ディープブレッシング(潜水艦の武装錬金)の存在に気づきます。
 自分達の力が過小評価され、ヴィクターの哨戒任務をやらされている事に不満を持っていたディブレ艦長、無謀にもヴィクターと交戦を開始します。一応本部に打電。水雷を撃ったりしますが当然ヴィクターには無効果。無駄無駄無駄ァ。その挙句ヴィクターは重力操作の応用で、沈没船をぶつけようとしたり、ディブレそのものを操って海中から引きずり出しちゃいます。そしてフェイタルアトラクションのダイレクトアタックでトドメを刺そうとしますが、そこへ響く高笑い。

「ハッハッハッハッハッハ!!!! このディープブレッシングを只の武装錬金と思ったか!?」
「「「チェインジ!!」」」
 光り輝いて消えるディープブレッシング(武装解除)。空中を落下しながら大見得を切る艦長たち。
「我等は三つの核鉄を一つにあわせ、武装錬金を織り成す者!!」
「その組み合わせは三核鉄六変化!!*3
「海域空中戦ならこのカタチ!!」
「「「フォーメーション!!」」」

 そして出てきたのは轟天号……もとい、巨大ドリルの飛行形態。変形が完了するなり、次々と光の灯る計器がカッコウいいです。何か指示を下す艦長についてくる擬音がちょっと可愛いし。そして巨大ドリルはヴィクター操る幽霊船を貫きますが、動きを止めたところであえなくやられちまいました。フェイタルアトラクションの一撃で核鉄が三つ切られてますけど……(一コはギリギリ残った)。核鉄が変形しているのに、同時にコアみたいな状態で存在しているのか?
 原作では生死不明だった三人ですが、残った核鉄で脱出ポッドを作りスタコラサッサ。内部で「残りの4形態を披露できなくて残念だ……」と悔しがるほど余裕ぶっこいてます。でも核鉄を一度に二つもなくしたら大変な失態だよな。97個が95個になったんだぜ、大損害だでよ。あと余談ですが、この『艦長』は根来の親戚が祖父じゃないかと思っています。根拠? 前 髪 。犬飼も祖父が戦士長だったし、親戚がさりげに混じっていたっておかしくありません。根来艦長(仮)はきっと本物の艦長とかじゃなくて、潜水艦と戦艦のマニアなんですよ。きっと。
 場面転換、戦団の医務室。まだ眼を覚まさないブラボーを看護する千歳さん。そしてまだ寝こけてる部下を叩き起こしに現れるワタリン。再殺部隊は解散し、これからヴィクター討伐部隊(その2)に編入されます。医務室で寝ているのは……毒島以外全員(画面にいませんが多分秋水もピンピンしてると思います)。毒島もベッドに寝てる犬飼・円山同様に重力操作喰らったはずなのに、どうしてこの人だけ無傷なのでしょうか。ザクっとやられてた根来と、戦部(画面にはいない)は分かりますが。……あ、いや、戦部は気合さえ足りれば自己修復するか。
 この場面、例によって毒島さんはガスマスクのおデコを抑えられてワタリンにいなされていますが、「テメーとオレのツープラトン技」のお誘いがかかります。原作から大躍進(?)、二人の初めての共同作業ですぜ! 原作ではついぞ出なかったタッグ技がアニメでついに実現です。そりゃ華ちゃんも「は、はい、よろしくお願いします」とお嫁に行きそうな勢いで返事しますよ。あ、そういえば華ちゃん16歳だから結婚は出来るんですよね。まあせめて20歳になるまで待ったほうがいいでしょうが。その頃ワタリンは31歳……ま、いいんじゃね。幼な妻。
 一方、斗貴子さんと愉快な舎弟二人が旅の目的地・ニュートンアップル女学院に到着したところで、今回は終了です。

第22話「決断を要す」

 冒頭は止め絵全開のヴィクター一家回想。「恐怖と戦い、災厄を退け……。より多くの人が幸せになれる様に……。この力は、その為にこそ有る……。ヴィクトリア……アレキサンドリア……」。回想から目覚めたヴィクターの目前に広がるのは太平洋の海原。そして迫るミサイル群。
「ミサイルランチャーの武装錬金!!!! ジェノサイドサーカス!!!!!!」
 意外と野太く暑苦しい男の声です。これがジェノサイドサーカスの使い手かー。小説でいつか顔や名前は出るんだろうか(期待すんなよ)。ミサイルなだけに加農さんとか(だから期待すんなって)。もちろんミサイル程度でやられないヴィクターですが、その周囲には錬金戦団のヘリと艦隊がズラリと集結。こんなものが集まっていていいんでしょうか、国防上スゲェ問題のはずです。錬金戦団って自衛隊防衛省にもそこまで融通がきくんでしょうか? 錬金戦団が艦隊保有しているんじゃなくて、ヘリとかも全部自衛隊だったりしてね。
 さて、以前からの打ち合わせどおり、火渡軍団待ち受ける「ポイントA-205」にヴィクターを追い込むのが駆逐艦と戦闘機の役割です。……こげな戦術兵器持ち出しておいて、決着任せるのが白兵戦武器ってのもなあ(つまり駆逐艦の砲弾より、錬金術の武器のが強いってことなんだろうけど)。ザコを相手にしていても仕方ないと思ったのか、ヴィクターは自らA-205へ向かいます。飛来するミサイルをひょいひょい交わして飛行するヴィクターが実にDBチックというか怪獣チックだなや。ヴィクター襲来を察知したワタリン(with高いところ)が舎弟どもに声をかけます。「覚悟はいいなぁ!?」
戦部「無論」
秋水「言うに及ばず」 ちゃっかりそのまま編入されていますね。
毒島「火渡様に付いて行きます」
根来「ヴィクターさえ倒せば、世界は救われる」
 この後火渡は「あいつを斃せば、俺達が正真正銘この世界の救世主だ!!」と言いますが、やっぱ彼はヒーロー願望強そうですね。小説版1巻とか見ると余計に。武装錬金の名前も救世主ですし。ただ、根来のセリフはちょっと違和感が。奴って心でそう思っていても口にしない気がすんねん。まあ作者の予定を超えておしゃべりになっているから、別にいいのか? うむーん。
 その根来は、千歳さんか毒島タンから話を聞いたのか、犬飼と円山がヴィクター捜索隊時にやらかした失敗について諌めます。戦友についての考えを改めたのか、なんか面倒見が良くなっていますね。犬飼は同期で円山は年上なんですが、二人に対してお兄さんっぽく見えます。
 武装錬金を発動させ、全員横一列に並んだ状態でヴィクターを真正面から迎えたところで、タイトルアバン。……おまいら、最初にもうちょっと距離とか配置とか考えて迎え撃てよ。根来の姿が見えないので、奴だけは亜空間に入って奇襲の機をうかがっているようですが。え、卑怯? 戦術として当然でしょう(まあヴィクターには無意味だったんですけど)。
 さて夕暮れのニュートンアップルに到着したカズキン一行(錬金戦団vsヴィクター戦は青空が広がっていたので、そっちとこっちは別々の時間の出来事なんですな)。そこへ久々のパッピーとゴゼン様も現れます。桜花憎けりゃゴゼンも憎いとっこさん、ゴゼンを凶悪な音で握り潰しにかかったり、パピとカズキが仲良さげに話しているうちに、目的の怪人物が現れます。剛太の「この人達誰?」的疑問が黙殺されてるような……。謎の人物を追って学園内に堂々侵入した一行は、追いかける先でヴィクトリアに遭遇し、あっさり彼女に『アンダーグラウンド・サーチライト』内部へと案内されます。駆け足だけど仕方ないね。いや……艦長達は面白かったけど、あれを削れば蝶の妖精さんネタとか入ったんじゃないかとかそんな事は考えてマセンニョ? HAHAHA.
 場面変わって戦闘中の火渡軍団、切り込み隊長を務めたるはなんと例の負け犬君。ヴィクターはわざと自分の腕を噛ませ、軽く振り払ってしまいます。キャンキャンとか泣いてますね、あの犬ロボット。可愛いけど。しかしその隙を狙って、戦部が襲い掛かります。根来も足元から出現し切りかかる。が、ここでヴィクターのフェイタルアトラクションが二つに増えました。原作ではついぞ使われなかった設定、「ダブルトマホーク」もとい「ダブルアックス」がここで活躍だ! 二斧流モードになったヴィクターは軽々二人の攻撃を受け止めてしまいました。重さのない忍者刀はともかく、十字槍なんてよく片手で受け止めますね……。まあその後、立て続けにやってきた秋水の逆胴を脇腹で受けても、腹筋で完全防御しちゃうんですが。折れちゃったよソードサムライX! あ、ダブルアックスにびっくりしてる根来が何か凄い顔してる……。
 ヴィクターの反撃は凄まじく、三人はまとめて吹っ飛ばされてしまいました。凄いぜヴィクター、この次は4人を一度に纏めてふっとばせれば、地球最強の生物はお前にキマリだ!(もう決まったも同然っぽいですが、まだヴィクター3ことカズキンがいます) 負けずに犬飼と(やっと出番のきた)円山が攻撃をしかけますが、ダブルからシングルに戻ったフェイタルアトラクションの特性発動。重力波に押し潰されまったくの無力です。つうか円山よ、バブルケイジ出す時のポーズ(自分の肩を抱きしめるように、胸の前で手をクロスさせる動き)はなんだ。
 役立たずな舎弟どもを尻目に、ワタリンは悠々と真打登場としゃれ込みます。「毒島ァ! テメェの出番だ!」もちろん、エアリアルオペレーターが散布するのは酸素! 「毒島の酸素と俺の炎を足せば、破壊力は十倍にも二十倍にもなる!! 悪ぃな。俺達はお前と違って独りじゃねえんだ」といいながら、ワタリンの顔が凶悪です。どのぐらい凶悪かってーと、原作でブラボー焼き殺しかけた時の顔そのまま*4。同じシーンで出ないと思ったら、こっちで使う予定だったのね。

火渡「俺のこの手が真赤に燃える! お前を倒せと轟き叫ぶぅ!!
    爆熱!!!
    ブレイズ・オブ・グローリィィィ────!!!」

 明らかに周囲にいた舎弟が巻き込まれてる広範囲攻撃が炸裂。おーわー。鋼鉄の腹筋を誇るヴィクターも、さすがに5100度の炎には苦しみます。さすが戦団最高の攻撃力保持者! 墓場でガキんちょ三人を纏めて吹っ飛ばして全然ダメージ与えられなかったヘタレと同一人物とは思えません! しかしヴィクターは必殺技「過去の回想」で炎の球を打ち破り、第三段階へ進化だ! ワタリンの凶悪顔と含めて、奴がちょっと主役チックですね。ヴィクターのコンセプトは「これからなるかもしれない未来のカズキ」だったので、バッドエンドの主人公その後=ヴィクターと考えるとやはりしっくりくるよな。
 艦隊内部はこの状況変化を受けて大騒ぎです。照星さんは火渡軍団のサルベージを命じてエスケープしました。「私は今から別行動に移ります。後は任せましたよ」と言ってスタスタ。これから先に生じる犠牲に照星さんが気を重くしながら、場面はニュートンアップルに戻ります。
 パピヨンに建築デザインのセンスを「いただけないな」と突っ込まれるアンダーグラウンド・サーチライト。ゴゼンも「ていうか、これ武装なの〜?」と突っ込みますが、そこはGO太・ザ・アンダードッグに「お前が言うな」と突っ込まれます。突っ込み三連打。
 やがて一行は例の脳みそのお部屋へ到着。脳みそが浮いているのにAIと一瞬間違われます。でも声だけ響いてくる感じは確かにAIぽいかも。ただ、完全なAI持った武装錬金ってあるんでしょうかね。ゴゼンは桜花の分身ですし(意識を共有しているとはいえ、桜花本体から離れてパピと行動を共にするうちに、本体とは別の経験を積んで、個性を成長させている気がしますね。ゴゼンが見たパピの競泳水着がしっかり伝達されてない事例もありましたし)。ともかく、原作にあったルリヲヘッドを誰が被るのかという遣り取りもなく、アレクサンドリアさんが直接カズキ一行に事情を説明してくれました。
 ヴィクターの境遇ってのは、カズキで例えるなら──。人を守るため戦って重傷を負って倒れる→死なせたくなかった斗貴子さんが黒い核鉄を移植→結果ヴィクター化し、カズキはドレインで斗貴子さんを殺してしまった(と思い込む。斗貴子さん脳だけモード)→戦団から放たれる追っ手・再殺部隊とホムンクルスの追撃隊(ホムを戦力として飼ってんのかよ戦団。つうか訓練用に調整体もいたし、戦部の弁当の件もあるし。連中一応ホムも利用するんですね)→追撃隊の中にはなんと、戦団の手でホムンクルスにされたまひろの姿が! カズキ「怒りだ! もう怒りしかない!」無理もねえ。
 この状況ならまひろんもヴィク子並にひねくれたっておかしくありません。で、首だけになった斗貴子さんを、今や義妹となったまひろんが看護。カズキはイギリスあたりに逃亡して、現地の錬金術師に自分を修復してもらい百年とか。

人間カズキ「俺達だけじゃない、もっと多く…。恐怖と戦い、厄災をはね除け、より一人でも多くの人が幸せになれるよう───」
錬金術(このチカラ)は……そのためにこそ在る……。
 斗貴子さん……まひろ……)
戦士加農(仮)「FIRE! ミサイルランチャーの武装錬金 ジェノサイドサーカス! 全弾命中!」


照星さん「武藤カズキ! 錬金戦団大戦士長坂口照星。この作戦の全ての責任は私にあります。部下達は見逃してやってください」
ヴィクターカズキ「駄目だ。錬金術に関わる全て、この地上から葬り去る。錬金術──この力はいずれ必ず人類に不幸をもたらす。核鉄ホムンクルスも、そして武装錬金も」
照星さん「そんなコトはありません。力はあくまで力。もたらすとすれば、それは扱う者の邪悪な意志」
Vカズキ「……。…その意志とは。その邪悪な意志とは、例えば────…、
 例えば! 年端もいかぬ少女に責を負わせて化け物にし!! 化け物にされた兄を討たせようとするような意志のコトかァッ!!!」
 再殺部隊一同絶句。
ブレイン斗貴子『なあ…まひ…ろ。も……し。カズキに会えたら伝……えて、くれ。わた……しは、いつま…でも…カズキのこ…とを…』
ホムンクルスまひろ「ウン。もしお義姉ちゃんの方がお兄ちゃんに会えたら──。その時は伝えて、私は独りでも、生きていけるって…」

 思わずやってみた。反省しないぜコンチクショウ。まあ作者も、パワード一家とカズキ達はダブらせていますし。ヴィクターの周りにも、岡倉たち三バカのような友がいたのでしょうが、その辺の話までは手が回らんわな。ああ妄想が止まらない。
 さて場面変わってヴィクター戦。第三段階に進行したドレインは強力で、戦団のヘリや艦隊も遠巻きにするばかりです。そこへ舞い降りた大戦士長坂口照星! ガコンガコンとパーツが組みあがって足を作り、ヴィクターを踏みつけにかかります。さすが照星さん、根っからのSなんだべ。つうかヘリより更に上空から落ちてきたなあ、これ。しかしヴィクターもさるもので、一度は海面ギリギリまで足を受け止めました。
 だが足の上から更に全身を構成するパーツが降ってくるもんですから、たまらず海中に没します。巻き起こる津波。海面に平穏が戻っると、その場所にはバスターバロンの姿が!(でもこれ、バロン全身像が画面を占める姿がいまいち少なくて、重量感や迫力ではOPに負けているのよね)
 しかし負けじと海中から姿を現したヴィクターも巨大化! このシーンは原作では再殺部隊が仲良く声を合わせてビックリしてくれたんですが、こちらはワタリンが咥え煙草を落としただけで淡白な出来です。ちっ。ワタリンって携帯灰皿とか持ってんのかな。まあポイ捨てぐらいしそうだけど。
 そしてニュートンアップル女学院(地下)。アレクサンドリアさんによる説明。で、また戦闘シーンへ戻る。この二つの場面の時間的距離ってどのぐらい開いているんでしょうね。
 照星さんはバロンでヴィクターとがっちり四つ手で組み合っています。僅かながらパワーはあちらが上……擬体のくせによく出来てやがる。組み合いは不利と見た照星さんは海面を殴り、眼くらましの津波を起こしてバスターナックルを見舞います。なにげに技名とか言っていますね。あと、よく見ると頭頂の照星さんは物凄い角度でバロンの上に乗っています。この人、バランス感覚も人外やわー。それとも特性の内?(頭頂=メインコックピット)
 しかしこの程度ではヴィクターにダメージは与えられません。照星さんが長期戦を予感したところでまたニュートンアップル。えーとつまり、ヴィクターを人間に戻せる白い核鉄は1個。新しく作るのはボケかかったアレクさんには無理、出来たとしても開発期間がめちゃ長い。よって人間に戻れるのはヴィクターかカズキのどちらか独り! と、ドラマチックな選択肢が示されたところでエンディングです。

第23話「BOY MEETS BATTLE GIRL」

まひろ「選択肢があるだけ、あなた達は幸せよ」あ、喋ってる人間違えた。ヴィク子だよ。
 とまあシリアスな前回から一転、場面は平穏な日常。登校日を迎えた銀成学園とそこへやって来た六枡岡倉大浜です。からかわれて「ブチ撒けてやる!」と三バカ(四バカ)を追っかけまわす斗貴子さんと、楽しそうに逃げ回る男どもを見ていると、本当にこのアニメが学園コメディだったような気分になりますね。「部活の女部長」という斗貴子さんのコンセプトとぴったりというか。
 そんな和気藹々とした様子を教室の窓から眺める桜花とゴゼン。言い方は違えど同一人物なので思いは同じですが、ゴゼンのがより正直でストレート。カズキは何も恥じる事はない、何度も人を街を守った彼は、堂々と人間に戻ればいい。しかし……そういう人物だからこそ、選べないだろうと。千歳さんにウサちゃんリンゴをあーんしてもらってる(誇張)ブラボーも、「カズキはまだ17歳なんだ……」と懊悩しています。
 久々に再会したまひろんは、お兄ちゃんをスルーして斗貴子さんに抱きつきます。このツンデレめ! いや、性格には素直クールと言うのか? ちーちんさーちゃんがフォローしたのでしょげるな、カズキよ。で、無事帰ってきたから、嘘の「任務」は終了したんだねと納得する面々。意気揚々と放課後の予定を立て始めます。スク水神大浜のプール案もありましたが、行き先は遊園地に決定。
 そんな穏やかな、そして残り少ない日常をカズキが満喫している裏で、火渡と秋水は非常に物騒な会話をしていました。
 「どういう事だ!!」と激昂する秋水に、火渡は斜に構えたクールな物言いで返します。ヴィクターを片付ければ、次はヴィクター3・つまりはカズキの再殺だと。確かに再殺は一時中止になっただけで、照星さんも「野放しにはしておけない」と言っていたんですから、至極当然の結果です。むしろ原作になかったこのフォローシーンにおいら拍手喝采。秋水も正しく出番取れたし。
 カズキの処遇について真っ向から対立する秋水と火渡の間に割って入るように、毒島さんが報告をします。「火渡戦士長……第七部隊、第八部隊、ほぼ壊滅……。直ちに波状攻撃によるバスターバロンの援護に回れ、との指令が出ています」あ、敬称がちゃんと役職になっていますね。公私の区別をつける子です。って、じゃあ普段様づけする私的な毒島さんとワタリンの関係って一体。
 あと、以前考察で一部隊の錬金戦士は約6名(主な根拠:再殺部隊)と推定しましたが、それをもとに数えると(数字そのままに八コ部隊として)、ヴィクター戦で42名の戦士が脱落した事になります。すると部隊を率いる8人+ブラボーと火渡で戦士長は日本に10人いるのか? 原作で剛太が毒島さんに戦況を尋ねたシーンでは、バロン再稼動までの足止めに戦士が戦い続け、回を重ねるごとに脱落したと言っていますが、その脱落したのが第七第八部隊という事に。で、小説版ゲーム版名前だけ諸々含め、『武装錬金』にこれまで登場した武装錬金核鉄)は31個。これに脱落者を加えると、核鉄のうち73個は日本にあったことになりますね(ホム所持のものも含む)。……どう考えても世界中の核鉄ってほぼ日本に全集中してるなあ。
 さて毒島さんの報告を受けて戦(や)る気満々のワタリンに秋水はさらに喰ってかかります。

「ヴィクター討伐の為に武藤を利用しておきながら、用が済めば又殺すだと!?」
「ならてめーはどうするよ? いいか! 四の五の言ったところで何かが始まるか!! 今は目の前の敵を殺す事だけが俺たちの現実だ!! ま、どっちを先に殺ろうがどの道同じってこった。あの時さっさとあの糞ジャリバラしちまえばこんな面倒くせえ事にはならなかったんだ」
 色々割り切りまくりの火渡の言葉に秋水君ビキビキ。彼はカズキと深い因縁もありますしね。
「不条理だろ、俺たちの棲む世界は?」
「理解った。俺も今は目の前の敵に集中する。しかし、その後の動向は、その時になって考えさせて貰う」
「建設的な意見だ。ホラよ、核鉄だ」

 元信奉者という、ホムの気まぐれでいつ死ぬやもしれん人生を送ってきた影響でしょうか。秋水君、結構大人な対応でワタリンから核鉄を受け取ります。ちなみにこの場面、火渡の隣りに座っている根来とか、他の再殺メンバーがずっと画面に映っているんですが、さっぱりセリフなくて笑えます。
 キナ臭い世界から一転。場面は再び少年少女の甘酸っぱい青春満喫放課後界へ。早速岡倉達が気をきかして、遊園地集合までの間に斗貴子さんとカズキを二人っきりにしてくれます。そのカズキは、トイレでちょっとブルーになっていました。しかしそこへ「先輩が学校で除け者にされてないか」心配でやってきた剛太(って言うと何だかシスコンの弟みたいだ、GO太)や、「このとおりビン! ビン!」に健康状態を維持しているパピヨンと出会い、今後の選択について一言貰います。つうかそのセリフで腰振るなよパッピー、ただでさHG並に変態スタイル(褒め言葉)なんだから。
「選択肢なんてものは他人に与えられるものではなく、自ら造り出していくものだ。
 武藤! お前がどの様な選択をしようと、俺はお前との決着を諦めない」
 こういう時のパッピーは格好いい、バタフライに大見得切ったシーンとか。
 そしてカズキは校門で斗貴子さんと出会い、二人で遊園地に向かいます。この後のカキ氷食べるシーンとか、完全に学生カップルの構図ですね。剛太、これを知ったらまたショック受けそうだなあ……。多分知らないんだろうなあ……。不憫。
 さてここでカズキの回想が入ります。幼き日のカズキとまひろ、二人でカキ氷を食べた思い出。特にオチのない話ですが、斗貴子さんには新鮮なお話。なぜなら彼女に「過去」はないから……。そんな斗貴子さんにカズキは言います「過去は作れないけど、俺は斗貴子さんと一緒に未来を見てみたい」ぷ、ぷろぽーず。「……そうだな。私も、キミと未来を見てみたい」プロポーズOK! ああさすが未来の夫婦(めおと)!
 二人は流石に恥ずかしくなったのか(というかカズキの余計な一言で)、照れ隠しにカキ氷をかっ込み揃って頭痛を起こします。夏の風物詩を堪能したところで、岡倉達と合流、場面は遊園地へ。岡倉役の風間勇刀さんの「おか〜ちゃ〜ん!」のセリフが凄い神谷明っぽいですね。そして意外と絶叫マシーンに弱い岡倉、ナチュラルサディ(サドい)カズキ率いる大浜や六枡に連行されて、次々絶叫系に乗せられ命の危機を迎えます。
 しかし一方で普通のアトラクションもしっかり愉しんでいます。コーヒーカップ、オバケ屋敷、メリーゴーランド(女性陣にちゃっかりカズキも混じってる)、ゴーカートでは復活した岡倉とカズキが対決? 射的ではカズキがキャラメルとまひろんのハートをゲットしました。そして休憩はみんなでソフトクリーム。学生服でソフト食うとか、歳喰ったおばちゃんにはとても眩しく見えるぜよ……ふふふふ。
 一通り遊園地を楽しみ、流れ解散になるかと思いきや、更にこの後二次会のカラオケが待ち構えておりました。耳栓を用意する六枡、ロックロールな真赤な誓いを唄いだす岡倉と楽しそうです。が、カズキは先に帰る宣言をしてしましました。疲れたのかと心配する大浜(ちょっと声が学生にしちゃ違和感あるなあ)ですが、結局カズキは独りになりました。
 斗貴子さんは一行についていくかに見えましたが、やっぱり心配していたみんなの計らいで、一人になったカズキのもとへやってきます。給水塔の上、斗貴子さんの特等席だから見つかるのは必然です。アレキサンドリアの言葉、剛太、パピヨンの言葉、今まで出会った人達の走馬灯のような思い出の数々。その思いの最後に表れるのは、ヴィクター。結論は既に出ている、頭では分かっている。でも、まだ心が追いつかない。
 現れた斗貴子さんと語るオバケ工場の思い出。今も変わらず、いやより強くなった『守りたい』という気持ちの再確認。

「決まったよ斗貴子さん。でも……まだ勇気が足りない」
「そうか……では、足りない分は私から補え。
 ……いつかの夜に言った通り……キミが死ぬ時は……私が死ぬ時……。キミと私は……一心同体だ……!」

 この辺のとっこさんのセリフは、アル・アジフ*5の「わらわが汝を強くする……!」に通じるものがあるなあ。こうして夕暮れをバックに、ロマンティックなファーストキスシーンとあいなるわけですが。この後戦闘シーンが入ってちょっと余韻が壊れw
 納豆ミサイルというか板野サーカスというか、歌舞伎の「蜘蛛の糸」のように長ったらしい尾を引いてヴィクターへ着弾するミサイル群。派手な戦闘が繰り広げられていますが、相変わらずヴィクターは全然ピンピンしています。軽く重力波で壊滅させちゃいますしね、あーあ。
 こうして次回へ続きます。

映像特典「武藤まひろの武装錬金講座 第8回」

 前回は丸ごと剛太とモーターギアの紹介についやしていましたが、今回は錬金戦団(ブラボーのぞく)をまとめて紹介。詰まっているだけに、横道にそれる部分が少なくていいかも。まひろの口から戦部さんとか根来さんとかいう単語が出るのは不思議な気分ですね。
「ていうか……亜空間て、何?」「犬飼さんの武装錬金は、犬!」「簡単に言っちゃえば、犬!」「本物の犬より、ものすごーい犬のロボットです」「5100度……? まあとにかく、凄い熱いんだよね!」「どこが武装錬金なんだか(バスターバロンについて)」
 あと、円山が男だとやっとまひろが明かしてくれました。原作しらんでDVD見る人もそういない気もするが、知らなかった人びっくりするかも。千歳さんについては「もしかして、ブラボーの彼女!?」と言っているあたりがらしくていい。
 あ、しかしバスターバロンの紹介画像、これ先の分まで入ってら(増幅特性発動)。

*1:赤名版新撰組

*2:PSゲーム『高機動幻想ガンパレードマーチ』シリーズの概念。

*3:元ネタは光速電神アルベガス

*4:第72話「まず殺るのはてめェじゃねえ!! ガキ共からだ!!」

*5:byデモンベイン人外ロリータ。