追記(辛口失礼)

 もうひとつ、彩香さんの設定に、彼女もまたネコノヒトとあるけれど、その点が弱いような気がした。
 主人公はネコノヒトにはやっぱり勝てないんだ、というが、彩香はネコノヒトの力で演技が巧いわけではないのではなかろうか。
 ネコノヒトの力が発現する時、猫の耳と尻尾が出る。が、彩香が演技する時、耳や尻尾が現れた描写はない。……ということは、ネコノヒトの力ではなく、自分の力で演技しているのでは? 主人公が彩香はネコノヒトだから〜みたいな発言をするたび、一瞬「え?」という感覚にたびたび陥ってしまった。彼女に対して、彩香=ネコノヒトの印象が薄いのだ。
 説明はあっても描写はないというか、作中に一度くらい、彼女がネコノヒト化するシーンがあったほうが良かったのではないだろうか。ネコノヒトではない主人公と、ネコノヒトのライバル、という対比も踏まえて。