映画『RED』観てきました。

※この日記はアットゲームズからの転載です。
 昨日のことですが。タイトルは「超危険な年金生活者」の略だそうで。
 主人公はブルース・ウィリス(モーゼス)。朝は六時きっかりに起床し、サンドバッグをボスボス殴る。この時点で「このジイさん、実は強いんだぜ」という布石は盤石です。
 しかしこの俳優さんも、ご老体の役が回る歳になったんか……五十代くらいじゃなかったっけ?
 前に観たサロゲートじゃ、自分のサロゲート(身代わりロボット)の役をするのに、かなり厚化粧で若作りしてましたけど。
 当然襲撃とかあってそれを返り討ちにしちゃうんですが、襲撃者第一陣はともかく、第二陣がバカすぎて「ああ、この映画はこういうおバカなアクション映画なのだな」ということが理解出来ます。
 だってねえ、いかにも特殊部隊ーって面々が家一軒取り囲んでおいて、庭のあたりからもう立射のまま包囲を狭めていくんですよ!
 しかもでかいマシンガンでポーチに薬莢ばらまきまくっているし。お前ら後始末とか考えないのか。異界福祉公社の吸血鬼退治だってもうちょっとマシだわ!w
「ゴキブリ退治のため家に爆弾を仕掛ける」という喩えの実例を見たような気がいたしました。
 ただ、退屈することはなかったんだけれど、思ったよりバカさがはっちゃけてないのは残念だったかな。物足りない。
 激突されて回転する車から降りて、超スムーズに立射姿勢に移行するシーンはありえなさすぎて笑えましたけど。
 CMで出ていたチーム・オイボレの四人が全員集合するまで結構かかったし、出番が尻すぼみなキャラもいた。
 マーヴィンというイカれたパラノイアのジイさんが面白くて、「十一年間LSD漬けにされていた」ため、色々行動が危ないです。
 最初は「なんだよもうこのジジイ」って感じでしたが、前述の経歴を聞くと「それにしてはマトモ」という言葉に頷きたくなりますね。的外れな行動していると思ったらそうでもなかったり。
ブタちゃんはてっきり精神安定剤と思ったが、あのまま捨てていったんですね……。
 そのマーヴィンですが、終盤に副大統領とっちめにいくべ! って段になると、途端に台詞がほとんど無くなります。CMにあった、体に爆弾巻いて走るシーンとか、色々仕事はしてるんですが、すっかり静かになっちゃってまあ。
 ジョーは……てっきり実は●●●●! をもう一回やるのかと思ったらそうでもなかったり。事件が終息したくだりで、誰も特に言及しなかったよね……? カットされているのかな。ひょっこり出てくるほうが、この映画のノリ的にらしい気がするんだけど。
 そういえばジョーが一番アクション的活躍は少なかった気がする。大臣に変装した時は、衣装がうさんくさすぎて笑いましたが。
 ヴィクトリアおばあちゃんはいい女感が満帆で素敵でした。彼女のロマンスの話題がミスリード含みでクスリとする。胸に三発とか激しい愛だな。イヴァンはロシアンマフィアのちび(いや大使館にいるからマフィアじゃないだろうけど)だと思ったら、結構いい男でした。お幸せに。
 ロシア大使館が出てきた時、ちょっとバラライカ姉を期待したんだぜ……(作品が違う)。
 主人公の年金係で、いつも電話で話してたヒロインが意外と肝座ってて驚きです。最初は誘拐まがいのことされてギャーギャーわめいていましたが、途中からハイになって感覚が麻痺してたような。
 この映画「よぼよぼのご老体なめんなよ、俺たち超強いんだぜ! 若造はすっこんでな!」ってノリの映画だと思いましたが、そういう匂いは最初の方だけだったかな……。
 ジョーなんか「80歳」「肝臓がん」「老人介護施設暮らし」の三連コンボでいかにも老人ーってキャラだったんですが、その分おとなしかった気がします。
 そのへん予想は外れたけど、老人の主人公に対し、若造のライバルキャラとして、クーパー君は役割全うしてた感じかな。ラストの決断はあれでいいのか少し迷うけれど、まあ結果オーライなんだろう。
 家族愛が強かったり、生真面目そうなしかめっつらだったり、いい感じの敵でした。
 やたら俳優陣豪華に揃えてたり、色々大味だったりするのは、観てないけどエクスペンダブルズを思い出させる。
 爆笑するほどでもないけれど、吹き出したり、クスクス出来る楽しい映画でした。あのエンドマークと、その後のエピローグ(荷台の女装したジイさんを乗せつつ、荷車を押して地雷と兵隊から逃げる図)も不意打ちされて笑っちゃいましたよ。