最近読んだ漫画、ホーロロギオン、マコトの王者、エンマ

乃花タツ, 花田十輝『ホーロロギオン』1,2

 だって怖がるって無駄じゃん
 ずっと怖がったり迷ったりって 結局何も変わらないでしょ?
 変わってないんじゃ意味ないんじゃない?

ホーロロギオン 1 (電撃コミックス)

ホーロロギオン 1 (電撃コミックス)

ホーロロギオン 2 (電撃コミックス)

ホーロロギオン 2 (電撃コミックス)

 いまいち何の漫画かよく分からん、という印象。
 時を司る十二人姉妹の『ギオン』、そのギオンをとりまとめるイニと合体して戦うことになった主人公。時の止まった世界に取り残された少女たち。
 彼女たちはこの世界を元に戻したりしなかったりするために、散らばってしまったギオンたちを連れ戻すのだ……というのが大筋のストーリー。
 冒頭からファンタジーなバトルをして、女の子の日常になって、とにかく男が出てこない電撃コミックス。
 技とか一応考えられているんでしょうが、戦っていたのは最初期と二巻終盤あたりで、あとはひたすら奇妙な世界での少女達の日常系ファンタジーしてる。
 この異常な世界での日常と、バトルアクション部分がどうもうまく擦り合わさってない印象が強く、アンバランス。
 浮いているから戦闘はナシで良かったんじゃないかな……。最初のほうはいかにも戦闘物っぽいやり取りとか展開を匂わせまくっていたくせに。
 ギオンにいちいちナンバーついていたり、いまいちロゼメンっぽい印象があるのもマイナスか。
 反面、女の子たちは可愛いです。というか可愛く描こうとしているのが伝わってくる。
 主人公は肥満と言われてダイエットに血道をあげる巨乳キャラ、主人公の友人たちも中々個性的。三人娘の一人が囚われのお姫様ポジになったのは驚いた。
 仏頂面で口が悪くて意地っ張りなイニもちょっと可愛い。全体的にみんなぽよっと丸っこくて柔らかそうだし。ただ、話はごちゃついてあまり面白くなかった。
 停まっている車にタッチしながら高速道路を自転車で走ったり、大通りにシーツ干しまくったりという、時間が止まって人のいない世界ならではのリリカルな風景はいい感じ。
 次巻で終わるようですが、ストーリー的なまとまりの薄さから、あまり読もうという気にはなれませんでした。二巻終盤からして打ち切り漫画の無理やりまとめる感がすでに……。

福井あしびマコトの王者』赤・青 2

マコトの王者(赤) 2 (ゲッサン少年サンデーコミックス)マコトの王者(青) 2 (ゲッサン少年サンデーコミックス)
asin:4091225497asin:4091225500
 変則的入れ替わりネタボクシング漫画、第二巻。
 青い方が好きなので、赤→青の順番で読んでいます。赤主人公のボロボロ具合と、青主人公の格好良さが凄い。
 赤ではエンターティメントとしてのボクシング、とうとう他人にばれた入れ替わりの秘密、大事な家族の元へ帰れない寂しさや葛藤。
 そして再出発……。
 などなど、この題材で出来る色々なネタがぶっ込まれていて楽しい。
 赤主人公はちょっとオツムがゆるすぎるのがあれですが、経験も無い、(肉体的に)若さもない、技術もない、ボロボロの主人公が、めげずにボクシングに打ち込むのは応援したくなります。
 あと、一話の頃にあった大地のポーズや仕草が、そのまま天堂の姿で再現されている芸コマが楽しい。
 この巻に入って、天堂のトレーナーだった町村のメイドエプロンとか、天堂弟が大地妹の琴音に惚れたりとか、脇役が楽しく動き出しているのもいい。
 あとまさみさん、相変わらず怖いよ怖いよ。ヒィィィィ。
 一方の青では、妹の三者面談、末っ子のもやつき、天堂(真)弟のちょっとした本音など、様々な方面での家族ドラマが出てくる(赤にもありますけど)。
 見事にスター街道を駆けあがっていきますが、今回でアメリカの五階級制覇ボクサーを倒しちゃうのは、いきなりやり過ぎたような気も。インフレ激しくないきゃ?
 坪原会長が今のジムの規模に悩み出したけど、大丈夫かなあ。
 両方読んでいないと唐突に感じる情報がそれぞれの巻で出てきますが、赤での大地vsサラゴサ戦が、青で天堂が渡米して試合する決意に繋がったりと、互いの繋がりは実に緊密。
 どんどん開いていく、二人の「マコト」の差。果たして両者はその差を埋め、見事再戦を果たすことが出来るのか。そして元の身体に戻れるのか!?
 これからも先が楽しみな漫画です。

ののやまさき, 土屋計『エンマ』7

エンマ(7) (ライバルKC)

エンマ(7) (ライバルKC)

 ナユタがデレてきよったー。
 というのは半分冗談としても、やっこさん、だいぶエンマに肩入れしつつあるかな? ラストではまさかの人物が登場し、さて次巻は一つのクライマックスを迎えそうです。
 ……っていうか、最終刊かよ! しかも最後の任務は現代日本と来ました。うーん、エンマは実は私たちのすぐ傍で暮らしてるんですよエンド?
 エンマがこれまでやってきた任務に疑問を感じ、各エピソードでの人々との関わりを通じて人間へと変わっていく。その様子から目が離せない巻でした。
 しかし毎度毎度、どの時代でどの衣装着ても似合うエンマのキャラデザ半端無い。