小路啓之『来世であいましょう』1
まかせて下さい!! 死ぬほどワタシに恋させて 自殺したくなるくらいの失恋を味あわせてあげますから!!
- 作者: 小路啓之
- 出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス
- 発売日: 2009/10/24
- メディア: コミック
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ってのも何なのでもう少し補足しますと、
・対象の意識がない間だけ、その人間の「来世」が見える美少女・白良浜かぴあが、
・自分の運命の人に転生する予定の根暗喪男・近松ナウを
・自分になびかせ、手ひどく振って失恋のショックで自殺に追い込むことで来世の彼と結ばれようと画策する話。
黒い粗筋ですが、基本的にコミカルなテンポで進むので、「ちょっと陰湿な切り口のギャグマンガ」と思えばOK。
台詞の応酬などに小ネタが詰まっていて、繁華街などの雑然とした背景の描き込みも細かい。線も色も薄い感じの人物デザインはあまり好きではないけれど、慣れてくると普通に可愛い。
面白いのか面白くないのか今の時点ではまだ微妙ですが、独特の味わいのある一品かと。しばらく続刊出たら購入するぞリスト行きです。
キャラクターも曲者ぞろいでして、ヒロインのかぴあからしてアレな設定なのですが、まず主人公のナウ。
実家がラブホでその一室を部屋として与えられたせいか、とにかくネガティブで人を信用しない。そら性格も歪むわって環境ですが、親しみは湧く、かも?
一方、そのナウと幼なじみでかぴあの友人となった牧野キノは、美少女かと思いきや男の娘。仕草とかヒロインよりエロいっつーか可愛くね? その上格闘技も出来るしで、もーハイスペックです(「森山周一郎似」という設定はよく分からんが)。
他にも自分を犬人間と思っている少年や、空中に絵を描き続ける少女などなど(この二人のエピソードが意外といい話としてシメられたのはびっくりだ…)。あと、音霧キリヤ初登場時の五話に出てきた女子高生がなんか可愛い。
しかしなにげに転生にも回数制限があって、打ち止めの人の来世は「赤い玉」が見えるってのは怖い設定ですね。そうするとこの世界の生命は、近い時期に魂がそう取っ替えになってんのかしら。
あと一生分の精を使い切ると出てくるという赤玉の伝説を思い出したけれど、そっちのネタと関係あんのかなあ(そういえば掲載誌の関係か、モザイクなしAVのシーンとかもあったりした)。
それと疑問なんですが、メルシャン様(ナウの来世で、なぜか以前からかぴあの夢にも出現していた「運命の人」)がめでたく生誕するとして、あの年齢に達するまでにかぴあはおばさんになってしまうのでは……?
にしても、キノの台詞に出てくる「コン・カオイの花」の話はちょっと好きなんですが、検索にもひっかかりません。実在の花じゃないのかな? 「恋は盲目ってこと? ちゃんと見ないのは逆に相手に失礼だよ」とか、彼は中々名言家。