篠房六郎『百舌谷さん逆上する』3巻
お兄ちゃん あのね 僕は どえむに────なりたい
- 作者: 篠房六郎
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2009/07/23
- メディア: コミック
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すっかり百舌谷さん視点で話しが進んでしまいましたが、今回は彼女の両親役・美沙緒さんと達規さんがクローズアップ。二人が百舌谷さんを育てることなった経緯や、彼女とのふれあいの中での思いが綴られます。
視点を変えて語られる、「すっぱい葡萄」と「死んだ猫」の話。
百舌谷さんを「あんな危ない子、ウチの子と一緒の教室に置いとかないでよ!」と抗議にきたおばちゃんに対し、淡々と冷静に説得する達規さんはカッコイイ。
最後は声を荒げちゃいましたが、あそこまで出来れば立派。世の中にはほんと、噛んで含めるように言い聞かせても理解しようとしなければ、理解しない輩がいるわけでして……。
しかしなあ、「車にはねられて血まみれの、瀕死の仔猫」に愛情を感じることを、異常と断じて理解出来ないと言うおばちゃんが理解出来ない。可哀想とか助けたいとかいう思考に流れないのか? とも思ったけれど、ツンデレとサディズムをごっちゃにしているあたり、相当バイアスかかっていたんでしょうなあ……。
まあともかく、この巻で百舌谷さんは、ようやく二人を「親」として受け容れることができたのでしょう。一方で、番太郎に今まで助けられていた、「寄りかかっていた」関係を清算し、新たなステップに昇ろうとしている。
ああ、いい話でした。
……変態ドMがそこに加わってカオスになっているのが、一筋縄でいかんところですが。とうとうカバー下にまで……!