ときた洸一『機動戦士ガンダムOOF』四巻
「残念だけどそうはいかないよ グラーベならまた作ってもらうさ」
「だから撃てたのさ まるで命の重みのない存在だから
同じように作られたキミも 何の価値もない!!」
機動戦士ガンダムOOF (4) (角川コミックス・エース 97-16)
- 作者: ときた洸一
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2009/07/25
- メディア: コミック
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で、今回のコミックスは、同時発売された電撃ホビー誌の連載00Pを読んでから手に取ると、本誌連載を読んでいた時とはまた違った味わいがあります。一粒で二度オイシイとはまさにこのことか!
連載中はグラーベ死の真相(ヒクサーの過ち)などがずっと謎だったのですが、Fではそれはボカされたまま終わっています。で、その具体的な内容がようやっと今月の00Pで明かされたわけで、そっちの背景を知ってからまた00Fを読むと、何とも違って見えること。ここまで考えていたのか千葉!
まあ今見ると、初期のヒクサーF(ミステリアスなライバル風変態王子)と、終盤のヒクサーF(苦悩しつつ前進する正統派主人公)がかーなーり別人に見えます。というか、明らかに設定が変わった箇所が感じられますね。
初登場時、シャルがヒクサーPは強いと記憶していたり(00P時代のヒクサーはシャルたちの前から消えるまで、へっぽこでした……。どこかで補足が来るんでしょうか)。
そも四巻冒頭の話で、ヒクサーは「ボクの判断が親友を裏切り」グラーベを殺した、という具合に述懐しています。ですが00Pではおもっくそ操られていたわけで「気づいたら親友射殺してました」なので、判断もクソもなかったという。記憶が再構成されたとかそういう裏設定があるといいなー。
しかし、シャルがシェリリンに「私が計画を手放してしまったら、私と仲間のすべてを否定することになってしまう」と泣きながら言うシーンがあるのですが。連載時には「ルイードやマレーネのことかー、グラーベも入っているのかなー」ぐらいに思っていたら、今回の00Pでそこにもう一つ重みが加えられた。必ず戻ると約束して、その通りに戻ってきたグラーベがどういうわけか帰還後に殺されて……。出発前にあんな会話してて……と。
それにヒクサーが「操られて」グラーベを撃ったことを思うと、「自分の意志で」グラーベ2を撃ったのはもの凄い対比。
とりあえず「幸せなヒクサー」の気持ち悪さに乾杯。しかしヒクサー自分は信じられなくてもヴェーダは信じているのね、いちいち行動の確認取っているし。イノベの本能だろうか。
そういえばハナヨはグラーベ殺害の件をどこまで知っているんでしょうね。次号の00Pでどう動くかにもよりますが、今見るとハナヨって最初からヒクサー死んでないともイノベだとも知っていたように思えます。
ヒクサーPの登録が人間からイノベになっても、ハナヨのアクセスレベルなら確認できそうですし。それを黙っていたのは守秘義務と考えれば不自然じゃない(通常、イノベの存在は秘密。だからハナヨは「ヒクサーはイノベとして再登録されただけで生きている」と言うことはできない)。まあリボンズが証拠隠滅口封じ目的でその登録変更を行ったなら、ハナヨも確認できなかったかもしれません。……しかしなぜに首輪。なぜにハヤナ同伴。
まあそのへんは今後の外伝を楽しみにするとしまして、四巻はオマケの四コマも増量三ページ!
すっかりシャルが腐女子に……いや貴腐人か? 十代のころからの筋金入りなんですね、しかも百合OKなんですね。シャルの原稿を見つけたヒクサーFの反応を楽しみにしていたので、そこだけちょっと不満。
シェリリンはおっさん相手に怪しい商売でお小遣い稼ぎをしている気がします。
あと、ときたさんが「四コマの内容は正史じゃないよ!」と言っているけれど、ヴェーダのOSがアキバで買えるようなものだったらイヤだw