田口央斗『機動戦士ガンダム00』2

「人々を救えず何が軍人だ! こんなに無能なのか。無力だったのか私は!!」(セルゲイ)

 マガジンZのダブルオーコミック第二弾。超ダイジェスト展開で、今回だけで11話まで話が進んでしまいました。ラ・イデンラとか一ページで殲滅されてて、最初駆逐終了にすら気づけなかった。
 前回あったコミカルさやほのぼのさは幾分減り、シリアス一辺倒。展開が早すぎて原作観てないとちょっと理解できない部分があるかも。その一方で、事故やテロに巻き込まれた一般人の描写が所々に入っているのが丁寧です。無差別報復が入る寸前の、平和な日常を生きる一般人の姿とか、軌道エレベーター重力ブロック漂流中に、母親とはぐれて泣く幼女とか(おぬしも好きよのう。……そういえばルイスもママ発言をしていましたね、これも本編にはない台詞だったような気がする)。
 個人的に嬉しかったのは、ティエリアの「世界から見れば我々も立派なテロリストだ! あなた(ロックオン)も」に対し、殴りかかろうとするロックオンを制止するアレルヤの図。ティエリアの「あなたも」あたりからがアニメにはない追加要素なのですが、この辺が作者の味かなあ。続く刹那の「俺はテロを殲滅する」発言とか。
 あと、ソーマとアレルヤの邂逅+ハレルヤ降臨も見所。ソーマへの自己紹介が「俺様はハレルヤ」なのは、もうネタなのか天然なのか。
 ミン中尉は中佐とソーマ離脱後は一切台詞もないままハレルヤに殺されてしまい、弾劾も命乞いもありませんでした。命乞いもなく無言でやられちゃったので、なぶり殺しに見えなくなっています。で、このシーンのハレルヤ。
「楽しいよなアレルヤ! 一方的になすすべもなく命をすり減らすってのはよ!!」
 ……そこは「すり減らしてやる」とかにしないと、おまえがすり減らされるのが好きなドMってことに聞こえるんですが? あとこのシーンは、ミン中尉を殺しながらハレルヤが泣いているという異様なシーンでもあります。作者の独自解釈なのか、00的に意味のあることなのか……。
 あと、メカ描写に気合いが入っている本作、今回はナドレがかなりかっこうよく登場していました。ベタ多めでなんか迫力がありましたよ。
 また夏に三巻が出ますが(もうすぐだな…)、予告では既にトリニティも登場しているので、本当に展開早いですねー。