錬金戦士の使い道

 思うのですが、錬金戦団はなぜ戦士だけで部隊を編成しようとするのでしょうか。本部には情報班や研究班のような後方担当者もいるようですけれど、ブラボー部隊(LXE編でのカズトキブラボーチーム+某MAX氏)も、再殺部隊も、構成員は錬金の戦士のみ。
 錬金の戦士といえば核鉄が必須。そして核鉄は最大100個までしかない。それを持たせてもらえる戦士とは、戦団の中でエリートと言っても過言ではないのではないでしょうか。そんなエリートだけで部隊を編成するとは、少数精鋭主義なんですかね。
 まあ、ホムンクルスとの戦いに、無力な一般兵なんぞ連れて行っても足手纏いになる可能性も高いですから仕方のない事かもしれません。
 しかし、1巻においてはカズキの攻撃が一応ホムンクルス巳田にきいてます(一瞬で再生するから意味はなかったんですが)。長いこと続いている組織なんですし、武装錬金のような決定打でなくとも、多少は効果をあげられる武器って開発されていないですかね? 戦団は。
 また、ホムンクルスは基本的にコミューンを作る設定があります。そしてその組織構造の最底辺には、信奉者という「ホムンクルスに与する人間」がいます。いかに錬金の戦士がエリートでも、人手が足りないという事もあるでしょう。そして信奉者と戦う事があるなら、武装錬金を持たない一般兵が活躍の目を見る事だって可能なはずです。また、秋水と桜花は武装錬金を持っていましたが、核鉄の貴重さから言って、そういった信奉者は相当稀少な例でしょう。
 つーわけで、錬金の戦士が武装錬金を持たない一般兵を引き連れて戦うのは、結構有用だと思われます。

 また、前述で「錬金の戦士はエリート」と書きましたが、実際戦団内では、戦士候補内での競争は激しいんじゃないでしょうか。
 小説版にて犬飼は「代々戦士の家系」である事が明かされています。で、彼の祖父と思わしき故・犬飼老人は戦士長。歴史の長い組織ですから、代々就職している一族が存在しているのでしょうね。一方ブラボーや千歳さん、火渡ら照星部隊、それに剛太は錬金戦団の養護施設出身の孤児です。つまり、戦団内にはポッと出の孤児出身戦士と、代々家業でやっている戦士の二種類がいる。
 古いものと新しいもの、揃えば派閥が出来るにゃ充分。とはいえ、作中で戦士となる以前の出自が明らかになっているキャラクターは、殆どが養護施設出身です(斗貴子さん、剛太、ブラボー、火渡、千歳)。再殺部隊は犬飼以外は不明ですし(根来は祖父が『艦長』じゃないかと疑っていますけど。根拠は前髪。あとオタク気質)。作者の都合というより、内部で結局養護施設出身者と一族出身者の比率がうまくバランスをとれているか、実践的組織ゆえに伝統よりも実力を重んじて、平等に能力を評価して核鉄を与えているのかもしれません。