斗貴子さんの記憶

 斗貴子さんは過去の記憶がない。正確には七年以上前の記憶が。それは小学生の時、ホムンクルスの襲撃で学校と集落が全滅し、家族も友達もまるごと失ったのが原因だ。『アフター』の記述に寄ると、戦士長(たぶんブラボー)から、自分の境遇は訊いているらしい。で、カズキに自分で語っているから、顔の傷が出来たあたりからの記憶はある模様。
 しかし、斗貴子さんは自分の境遇について、いつから、どこまで、知っていたのだろうか?
 3巻19話にて、斗貴子さんはブラボーについて「名前も素性も何一つ知らされていない」と言っていたので、7年前から縁のある相手とは知らなかったようである。8巻72話では、ブラボーと火渡が斗貴子さんの目の前で「7年前の件」について話をしていますが、赤銅島などの固有名詞は出ていなかった。ブラボーの「俺の過去の希望」という斗貴子さんを指す言葉も、吹き出しではなく独白っぽく言われております(アニメでは声がつくんだけど)。
 察するに、斗貴子さんはピリオドとアフターの間にブラボーから7年前の件についてようやく教えられたという事だろうか? いや、ショックで記憶喪失になったのなら、自分の境遇ぐらい知っておきたいのが人の心理というものなので、境遇そのものについては早くから知っていたはずである(戦団が教えない理由もなかろうし)。ただ、『アフター』時点でも、斗貴子さんがブラボー(および照星部隊)との繋がりまで知っているかは不明。
 まあ、ブラボーが積極的に言わなくちゃならん事でもないですけれど。当事者の斗貴子さんがいるのに、その存在をスルーしたまま赤銅島事件を語る火渡とブラボーが気になったんですよね。そのシーンで斗貴子さん自身の反応は特になくて、自分の事が話題に登っているとは気づいてないように見えましたし。