DVD7巻〜再殺部隊よ永遠なれ〜

武装錬金7 [DVD]

武装錬金7 [DVD]

  *以下、長々と語りまくるので、暇じゃない方は避けるが吉。
 武装錬金(以下ぶそれん)が好きだ。ハガレンの若くて行儀がよろしくないファンの方はよくハガレンのパクリだと言いますが、錬金術は歴史上にちゃんと存在している(ぶそれん1巻で言っているように辞書にも載っている)ものなのです。荒川氏の創作ではないのです。
 和月伸宏という作家はよくパクリだなんだと言われているが、まだこれはオマージュとパロディの範疇ではある。まあ本音としては「パクリに善悪なし、あるのはただ拙巧のみ」なんですが。和月のは元ネタに愛があるなあ、と(ファンの欲目?)。
 まあでも、昔は和月という作家を大したものだとは思っていなかったものです。俺は小学生のころ、リアルタイムで『るろうに剣心』が放映されていた世代で、漫画にも嵌まっていました。周りの女子も「剣心と薫って絶対くっつくよなー」と大注目。漫画を読み始めるとやめられないとまらない。でも中学ぐらいからかな、「うまいことヒットして適当に書いてる底の浅い作家」という認識を持つようになってしまった。実際、今でも剣心は独善じゃないかなと思うところもあるし、ぶそれんでも主人公カズキの清い言葉にいまいち胡散臭さを感じてしまう。まあ、悪人書けない病なのだから仕方ないのでしょうが。で、その後「ガン ブレイズ ウエスト」でますます評価を下げた。ああ、和月ももう終わりだな、と。るろ剣も長く続いたし、あんだけ書いた後でまたヒットなんて書けないだろ、と。
 そう思っていたところでこの武装錬金である。
 この作品は打ち切り漫画だ。だが、その後三本の読み切りで見事伏線を回収し大団円を迎えた。あげくにアニメ化ゲーム化CDドラマ化小説化のメディアミックス展開コンボ。何と祝福された作品であることか。今の時代品薄で、ちょっと人気のある作品はすぐさまアニメに変換されるご時世とはいえ、少し昔ならOVA化ぐらいはされていたかもしれない。
 正直、るろ剣のあとでこれだけ読ませてくれるものを書いてくれるとは思わなかった。最初はカズキの善人100%仕様な性格にノリきれなかったのだが。突っ込みどころやグダっている部分もあるのだが。少年漫画として、エンターティメントとして、奇をてらわず・しかし変態的にはっちゃけた作品にしあがっている。萌えというか媚芸もこの作品で獲得したフシがあるし(海水浴の水着とか。エンバーミング2でも活かされてますね)、ライナーノートに見れる様々な試行錯誤の軌跡を見ていて、この人はなんとエンターティナーたらんとしているのかと驚嘆した。もはや創作者として尊敬する。
 てなわけでるろ剣のコミックスをばがっと買い集めてみたりなんかして。でもその後描き下ろしつき完全版が出て凹んだりしちゃったりして。
 でまあ、武装錬金だ。
 原作がすっかりお気にいりなのでDVDを買って来た。ただし7巻だけ。なぜなら、7巻は再殺メンバーが出るから!(実際は初登場は6巻なんだが、本格的に活躍するのはこっちからなのでいいのだ) 再殺部隊といえば、オーケンファンである和月がステーシーの美術ほかに収録されている曲名『再殺部隊』からとった、化け物化した主人公=カズキ(ヴィクターIII)討伐隊である。連載が順調に続いていたら、戦士長銀輪に率いられた銀輪部隊とかも出ていたかもしんない。バイクとかヴィークルの武装錬金使いが所属してたりして。むしろどこかの二次創作SSに既に出ているかもしんない。
 再殺部隊メンバーは即興のデザインが多く、まず能力ありきで設定も考えられ、順番に主人公とぶつかりそして散る端役敵キャラのチームだ。照星さんと違ってザコ顔タイプだし(ぇ。だが、俺がぶそれんで一番お気に入りの連中だったりする。なぜと訊かれても困るが、まあ好きに理屈も流行もねえんだし。俺は封神演義藤崎竜でも、一番好きなキャラが九竜島の四聖だったんだぜ。世間様の流行なんて細かいことはどうでもよろしい!
 主人公's(カズキ・TQN・剛太・パピ)が嫌いなわけじゃありません。むしろ好きです。でも、その好きのベクトルとか質が違うといいましょうか、メインキャラなんて俺が愛さなくてもほかに愛してくれるファンいっぱいいるじゃん。奴らなんて登場少ないし話としてもそんな重要ってホドでもなくワンポイントの一つだし、語るにもネタが少ないだろうしで。だから、まあ、愛を偏けちゃうわけ。どうも俺は根がメジャー嫌いらしい。
 てなわけで、以下キャラ紹介(再殺メンバー限定)中心に、DVD7巻の感想です。

各話感想

#18『逃避行』
 再殺部隊の登場まわりがいじくられているので、半分以上オリジナル展開の回。冒頭はカズキ再殺失敗を責められ、査問会にかけられるブラボーから。ここでブラボーを庇いに千歳さんが初登場するのだが、早くもここで大戦士長が登場していた。まあ原作はやや唐突だったし(打ち切りで追い立てられたせいもあるんだろうが。さすが打ち切りの象徴男爵様。もう男爵様だけじゃなく坂口照星にも打ち切りの神が宿るんじゃねえの)。あ、このシーン風間勇刀さん(ガンオケ緑:源健司)いるんだ。ワカラネ。
 しかし照星さんの神父服っぽいのは戦団の制服なのね。例のマークがついているから当然でしょうが(Vの字に三本線のマーク。あれって錬金術関係で何か意味のあるやつだったか思い出せない。元ネタが何って噂も聞かないしなあ。解説が欲しいよー)。グラサンも支給品なのか…?
 部隊の車を運転して登場する戦部……この人が運転出来る事が意外。まあ錬金戦団は軍隊っぽいので、運転免許ぐらいとらせるのかもしれません。けどまあ、戦部って文明利器が似合わないし。原始人ってわけじゃないが、こう、るろ剣世界に混じっても違和感ないんだもん。
 そんな再殺部隊の前に立ち塞がるパッピー、目的はカズキの行方を掴む事。「エレガントなホムンクルスもいたもんだ」の発言に、聞いてるはずの火渡と根来が突っ込まないのが寂しい。やるとしたらアニメオリジナルですが、アニメは原作よりギャグ削られてるしなあ。仕方ないか。ただ、それよりもその後に続く「俺に勝ったら武藤カズキの居場所を教えてやる」発言に、上司である火渡がノーコメントなのが疑問。構うにしろ構わないにしろ、錬金の戦士がホムンクルスに与するような事してどーする。そして問題発言をスルーしたまま去っていく根来と火渡戦士長。運転が戦部から根来に替わるのかと思いきや、立ってた場所が運転席に近かったからか、火渡が運転手に。あとで雑用押し付けてたのに、なんで部下にやらせないんでしょうか。
 アンダーでドッグになる剛太。斗貴子さんにギャフンと言わせられる剛太。生きろ、強く。
 一方、ヴィクター捜索隊編成の権限を授けられた千歳さんはメンバーに作戦を説明していた。犬飼の声はちょっとナルシー入っている印象。らしくて良い。それより円山(♂)の声が明らかに女性なのにびっくり。声優は女性だけど、男もあてるし、もう少し男らしい声になると思ってたのに。見た目(原作にあった着ぐるみではなく素顔)がますます女らしいし、原作もしくはDVDについてた小冊子、見てなきゃ男だと思わないんじゃないか。
 そしてパピヨンvs戦部戦、上から読んでも下からよんでもいくさべせん。ミニミニTQNの解説がないから、高速自動修復のエネルギー残量についての突っ込みとホムンクルス弁当の件はカット。まあドカベンもりもり食う戦部ってのも見たいんですがね。ホム食い戦部の野性味溢るる表情はやたらハマっているので、アニメでも見たかったのですが(というか、あんなもの人間の胃で消化可能なのか。大量に食い散らかしてましたけど)。
 戦部全身修復シーンを見て気がついたが、衣服は全部弾け飛ぶから修復できないくせに、髪を括る紐だけは修復してるんだなあ。まさか自分の毛で括ってたりして? しかし、この人こんなにもみあげ濃かったっけ。
 一方山道から墓地へ出たカズキ一行。横浜外国人墓地からの変更だけど、置いてある墓石は外国人墓地っぽいなあ。なんか墓石が妙に粗く置かれている気がしますが。火渡と挟み撃ちする形で出現する根来。シークレットトレイルをナチュラルに出しているシーンが何か格好いい。
#19『君さえ守れれば』
 オーディオコメンタリーがつく回。前回の粗筋でカズキの「そこをどいてくれ」が出たのに、直後の本編冒頭でもう一度言われるのは萎える…まあよくある事だ。
 パピvs戦部決着。思うんだが、あんな爆発のあとに修復してたら、絶対塵とか混ざって修復される気がするんだが……小さい異物は毒や病原菌と同じようなもんとして排除する機能でもあるんだろうか? 逆にでかすぎる物を取り込んで修復するってのは、なんか片手落ちな気がします。
 原作と違って根来(now on 墓地)が出てこないため、激戦を返してもらえない戦部、腕をもがれた痛みに悶えつつ気絶。片腕なくしても指落としても、笑いながら戦いに来そうなんだがな。それは前提として激戦ですぐ直せるからであって、直せなかったらやっぱダメなんかそうか。ちぇ。
 火渡に豪快に吹っ飛ばされるカズキ一行。火渡は焼き払ったつもりのようですが、思いっきり取り逃がしてます。TQNの足をちょっと痛めただけで、あんた男爵様をさしおいての戦団最強の攻撃力の誉れはどうした。ブラボー以上に何か勘繰られそうなんですけど。さておき、雑用(核鉄の回収)を命じられた根来はそのままTQN&ゴーチン(カズキは見当違いの方向に迷走中)と対決へ。
 初撃でTQNのスカートを切り裂いて出歯亀の称号をもらう根来。原作と違ってゴーチンに出歯亀の称号がつかない状況なのが惜しい(色んな意味で。まあ丸山いないし)。というか乙女のスカートを切るって、普通に変態行為だ。本人はまず移動力を削いで……とかの考えなんでしょうけど。それにしても、特性が『隠形』のシークレットトレイルと、ゴーチンのモーターギアは、実は攻撃力じゃどっこいな気がする。基本刃物だもん。秋水とか戦部とか、武人キャラは武器の攻撃力をあげる特性ってあまりつけないね。まあつけるくらいなら別の武器モチーフにした武装錬金出すのかもしれないが。
 飛刀(まあ音だけだと分かりにくそうだし)、真・鶉隠れ、などなどの台詞が微妙に削られつつ戦闘は進行。血の表現が赤い光なのが不満です。血糊のあの粘り気のあるしぶきが好きなのに……少し昔ならOKだったものを。シークレットトレイルの解説、ゴーチンによるトレイル破れたりの解説。ここらへんは原作の漫画は読みながら間(=時間経過)の調整を脳内で勝手におこなえるのだが、アニメで説明台詞とかを声で聞いていると、短い時間のはずなのにやけに間延びして感じられるのが残念。いや仕方のない話なですけど。
 あと、原作で和月が「特性や信念を自分で語るお喋りな面が出来てしまった」と根来のキャラ描写について悔いていましたが、モノローグを使えば良かったんじゃないかな〜と思ったり。戦術上卑怯も厭わずTQNを狙う根来、それに怒るゴーチン、でも根来の心中はそんなのどこ吹く風で、自分なりの信念を黙して語る……みたいな。いや言っても仕方な(ry
 背中から現れる根来。あれは……原作でもよく分からないんだが、ゴーチンの背中からトレイルで抜け出たのか。マフラーから出るシーンもよく分からなかったりするが(マフラーだけまず亜空間から出して、出口をそのマフラーに設定?)。ゴーチンと相打ちになった瞬間、痛みに目を見開く表情がよい。そして根来敗北。毛髪が編み込んでって、あれ根来の手編みなのか。原作ではモーターギアに二回しか切られてなかったはずだが、効果音ではあきらかにザシュザシュ複数回切り刻まれている音が。あわわ。回収シーンがないが、このまま気絶して武装解除したらどうなるんだ。亜空間から出られないのか、はじき出されるのか、最悪生き埋めになるのか。そのうち火渡が気づくと思いますけど。
 一方ヴィクターvs捜索部隊の面々(観戦千歳、復活秋水、犬飼、円山、毒島)。台詞が少ないせいでヴィクターが怪物っぽい印象になるなあ……。ぽこぽこ出るバブルケイジ、増殖が特性だが、爆発しても爆発してもヴィクターにダメージを与えられず、煙を出しているだけにしか見えない。しかし「今よ犬飼!」って、相変わらず仲良いな。あっさり粉砕される犬飼の愛犬×2。千歳さんの指示を無視して軽く突っ走り、ガスっとヴィクターに返り討ちに。このまま殺られるかと思いきや、華ちゃんの初活躍で煙幕が。……ガスマスク被っているから声に加工がかかっているんだが、ここのシーンの声が凄いオカマっぽくてキツイなあ。丸山どころじゃないですよ、むしろ着ぐるみ円山の声かってな勢いで。初登場の時は気にならなかったんだがなー。
 千歳さんによる個人テレポートで順次脱出を果たした一行は逃げ帰るハメに。でも千歳さんのヘルメスドライブにヴィクターを登録したので、最初の補足任務は達成に。戦団が凍結されなきゃ、千歳さんにも戦士長任命の未来があったろうになあ。
 あ、秋水? ヴィクターに切りかかったけど剣先折られてましたよ。修行の成果はどーした(最後ちょっとイイとこあったけど、なあ)。
#20『想いと力を込めて』
 ここはカズキvsブラボー戦で再殺部隊の出番は終わっているので、特にコメントはない。まあ同じ話は原作で見たけど、それが色ついて声ついて音楽ついて動いているってのは楽しいね。ただ、一部作画が甘いところがあった気が……。にしても江原正士はガイ先生といい、ジャンプ系師匠キャラが板につく。あと、戦団が凍結されなかったら、カズキもゆくゆくは戦士長、大戦士長も夢ではなかったよなあと思う。惜しい。
 しかし、ブラボーは基本徒手空拳で攻撃しているはずなのに、なんであんなに爆発が起きるんだらう。

キャラ感想

■【火渡赤馬】CV:関智一
 錬金戦団戦士長・再殺部隊隊長 軍で言うと佐官級なのか尉官級なのか。戦団は二つしか階級が出ないから分からん。組織っちゅーのは古くなればなるほど、階級や役職が細分化して面倒な事になるんだがな。なんつーシンプルな組織なのでしょう。
 俺のこの手が真赤に燃える! ハンズ・オブ・グローリー!(1500℃) な人。趣味に放火とあるから、実は犯罪をいっぱい積んでいるんではないかと疑ってしまう。悪役顔ですし。そしてバレたら照星さんのお仕置きが待っている、と(お仕置きで済むのか?)。それにしても彼の武装錬金は謎だらけです。ナパームの武装錬金のくせして、どう考えても使っているのは炎のほうなんですが。化学反応が真の武器とか恐ろしすぎです。
 彼もブラボーつながりでメイン側の人なので、細かい紹介はまあいいや。
■【戦部厳至】CV:小山剛志
 裸侍。多分根来の反面教師(後述の推察より)。本体以外に作用しない武装錬金の特性ゆえ、何かと裸になってしまうのだが、それを恥ずかしがるわけでもなく堂々と戦う男。原作では小さくなったTQNもいたのに気にしてないあたり、女性がいてもおかまいなしですか。アニメは漫画以上によく動くので、角度を駆使した隠しが大変そうでしたね。まあ、葉隠覚悟しかり、藤木源之助しかり、真に戦いに身を焼く漢にとって、「姿かたちなどどう変わろうと問題なし!」なのですよ。が、一方27歳(火渡と同年齢)というのが確実に信じられない渋い容姿。あんた三十路越えてなきゃ嘘だよ(あ、でも剣心と師匠も年齢のわりに若々しかったような…つまりその逆バージョンか)。
 戦史研究が趣味のわりに、戦輪(チャクラム)の事を知らず根来に教えられていた。戦史ってどの範囲のこと言うんかいのう。近代ミリタリーには興味なさそうだし、戦国時代とかなら詳しそうですけど。そして勝ち戦も負け戦も好きというまさにバトルフリーク。
 小説版では漁師になって、火渡に土産の寒ブリを渡していたりした。ファーストフード店のテーブルにまるごと……せめて捌け。なのに誰も突っ込まねえし。何だ、アニメ登場時といい、戦部は何か突っ込むに突っ込めない空気でも纏っているのか。
 あと、フンドシ一丁に法被という衣装で普通に街を歩くあたり、もはや「裸になっても気にしない」じゃなくて「裸でいるのが好き(むしろ服が嫌い)」なのかもしれない。まあ、再殺部隊では一人だけコート着用なんですけれど。あれか、脱げば脱ぐほど強くなる紫龍みたいなもんか。あれは下半身までは脱がなかったが、成長したらこんな調子になっているのかもしれない。
■【根来忍】CV:浜田賢二
 重力に逆らった髪とマフラーを持つ人。わざわざ邪魔になるだろうにマフラーとかつけて、この人中身はきっとミーハーなんだよ。デザインモチーフはサイボーグ002(ジェット)とのことで、さもありなん、である。最大の違いはやはり鼻か。多分、ぶそれん全キャラ中最大の硬度を持つ毛髪していると思います。にしても和月が言っていた「全体的にブロック分けされている感じ」の意味がよくわかりません。何気に身長がカズキ(170cm)より低い(168cm)んだが、犬飼より背が高いのが違和感。小柄な印象があるんだけどな、細いせいか。
 コミックス表紙では銀髪だったが、アニメのカラーリング(金髪緑目)を見ていると、忍者好きすぎて日本に帰化したアメリカ人じゃないかと思えてならない。だからこんな露骨な姓名にしたりとかさ。武装錬金の名前が素直に日本語じゃないのもそれが原因だったり。でもアメリカ忍者嫌いなんだっけ、タートルズとかロイ・バウマン(ロジャー・サスケ)とかあたりか?
 戦部と同じく武装錬金の特性が本体以外に反映されないタイプ。ただし、自身のDNAが「通行手形」になるので、衣服に毛髪を編みこむなどの方法で衣服も亜空間に持って行けるようにした……のだが。武装錬金の特性は「闘争本能の塊ゆえ、実戦の中で直接感じ取っていくもの」らしい。つまり。根来はDNA=通行手形という特性に気づくまで、トレイルを使うたびに裸にならにゃならん苦労があったのではなかろうか。で、同タイプの戦部は裸になってもまったく動じない。その姿を見ていくにつれ、「ああはならんようにしよう」と思って、何とか今の手段にこぎつけたんじゃないかなあ。それが出来るようになるまで訓練も裸だったんかいとか考えると、萌え以前に不憫すぎて泣けてきます。侘びしすぎ。
 あと彼の敗因だが、もしかして一度も攻撃喰らった事ないから、自分の血がついた武器で亜空間内に攻撃されるって気づかなかったのか。それはそれで想像力と計算が足りないと思うんだが、前述のように特性を掴み切るまでの苦労を思うと、そこまで頭が回らなかったのかもしれない。あれ……何だか根来が凄く可哀相な子になってきた。
 小説版では原作では一度も使わなかったですますの台詞があって違和感が。戦部は貴殿と呼んでたのに円山は貴様と呼んでたりとか。さておき忍者村に就職したらしいが、愛想とか出来るのかこの男。なお、毒島の発言*1からすると、根来を忍者マニアじゃなくて本物の忍者だと思っていたのって、彼女一人だけなのかもしれない(つか、円山はなぜ根来の就職先知ってんだとか細かいところが気になってしょうがない)。あと、トレイルなしでどうやって円山の着ぐるみに潜んだんでしょうね。円山と示し合わせてなら分かるが、当人も気づかないうちにいるし。そんなに日の当たる場所が厭か。
■【犬飼倫太郎】CV:保村真
 通称失敗ヨン様、もしくは負け犬。「男は戦わなければ負け犬にすらなれない」と和月がフォローしてたわりに、アニメではまともに戦わせてすらもらえなかった不遇の噛ませ犬。ザ・ベスト・オブ・かませ。そしてヘタレ。というかTQNゴーチンと同じ正式な錬金の戦士で、なおかつ特殊部隊所属者なのに、このヘタレっぷりはどうか。一応軍人みたいなものでしょうが。しかも二十歳(…そいや根来とこれは同い年だっけなあ)。
 劣等感が強くて自尊心が高い性格。というのが定説のはずだが、その性格がよく見られるカズキ戦*2がアニメではカットされていたためか、DVDの小冊子では「根っからのサディスト」と書かれていたりした。サドなのはむしろ丸山ではー(マゾでもありそうだけどさ)。まあ別にその設定自体に大きな違和感はない、原作でもそれっぽかったし。普通に性格悪い子だよな。
 小説版の設定に寄ると、約7年前(りんたろう 13歳)に死んだ犬飼老人の孫である模様。代々錬金の戦士が家業らしいが、奴のコンプレックスとプライドってそこらへんが原因としか思えない。1.おじいちゃんっこで故・老犬飼に可愛がられていたけど、じっちゃんの死で……。2.同じく錬金の戦士である父との仲が……。という具合に。あと、「犬の写真とぬいぐるみが好きで、武装錬金は軍用犬。でも本物の犬は苦手」というやけに込み入った嗜好を見ると、そのへんもじいちゃん(馬ほどもあるでかい犬を連れていた)の影響か何かでトラウマを持っていそうである。猫アレルギーだけど猫が好きってのなら、体質と性格が異なるのは納得できるが、犬飼のはさっぱりだ。本物の犬苦手なくせにペットショップに再就職してるし。
■【円山円】CV:皆川純子
 越前リョーマの中の人、の外の人。アニメでは武装錬金の特性が単純な爆発物に変更されているが、原作では「1発ごとに身長を15cm吹き飛ばす」という面妖なものだった。どういう精神構造してたらそんな特性が出るんだ。まあ最初の設定がサイコキャラだったから当然か。でも「鳥かごで人間を飼育」はカットしなくてもよかったというか、怖気づかなくてよかったかと。だってほら、グエスのグー・グー・ドールズは掲載されたし(ぇ。
 戦団中最多のホムンクルス撃破記録保持者という、それなりに名の売れている戦部を知らんかった人*3。再殺部隊って昔からの同僚じゃなかったんかいなと。再殺部隊メンバーには番号がついており、あまり力の序列とかは関係なさそうである。その番号が入隊順を示していると仮定すれば、戦部は3号で円山は4号、円山は戦部の後輩、ということになる。この説に従うと5号根来、6号犬飼はまた円山の後輩、という事になるのだが、円山は犬飼の武装錬金の事は知っていた*4。一方で、根来は戦部の性格についてある程度理解していた*5。とすると、番号=入隊順って説がそもそも当てはまらず、単に1.円山が一番新参。2.円山と犬飼が新参で同期。あたりの可能性しか……いや、まあ、こんな細かいこと和月絶対考えてないと思うんですけどね。無理やりでも筋の通る説明つけたくなる事ってあるじゃないのさ!
 小説版では再就職でダンサーに。何の、とは、何か訊かないほうがいいような気がする。布の少ない水着の衣装って……はて、上半身はどうなっていたんだろう(描写がなくて分からん)。そしてなぜバブルケイジ着ぐるみを手放さないのやら。ホンマ錬金戦団は変態の巣窟やでー。
■【坂口照星】CV:速水奨
 錬金戦団亜細亜方面大戦士長(戦闘部門担当)。さしあたってぶそれん本編で出てくる、戦団の最高責任者。巨大ロボの武装錬金を操る上、最大五つまで他の武装錬金を増幅するというサギ寸前の特性まで持つ。そらその若さ(36歳)で大戦士長まで出世しますがな。
 つうか核鉄って100個しかないくせに日本に多すぎだ、日本にいるパワード一家探して職員現地採用とかし続けていたせいもあるんだろうけど。ホムが持ってたのとあわせて、30個近くある。残り70個ほど(うち所在不明・ホム所持含む)で他国の戦団はがんばっているのか……日本は極東支部ってなっているが、欧州とか中東とか五大陸で分けてんのか。核鉄もらえるって、訓練生の中でも超エリートでないともらえないよね、そんな貴重なもの。
 誰がどんな特性出るかわかんないし、心理テストとか厳密にやって事前に「こいつなら凄い特性が出るかも!」ってアタリをつけてるのかも。何せ人によっちゃサブマリンにミサイルポッドにと武器を越えて兵器を出しちゃいますから。ヒャッホウ! やバルスカの立場ねえですよ。錬金の戦士候補の間では、日夜核鉄授与を巡る激しい(そして時に陰湿な)争いが繰り広げられている事でしょう。
 気がついたら照星さんの紹介じゃなくなっている。えーと彼の武装錬金は、あの大きさを考えるだに当人の大人気なさ*6っぷりと、精神力の強さが存分に出ているような気がしますです、はい。それ以前に増幅特性は何がなせる技なのやら。まあ生まれ持った強さとしか言いようがないが。
 あと、この人の姓名は名字のありふれ感と名前のありえなさ感が見事にバランスを取っていて、実にいいネーミングだと思う。照星(銃の照準器)とも、星とも、さっぱり関係ない武装錬金だったけど。というか、カズキ・TQN・ゴーチンの主要陣以外で唯一名前と武装錬金が関係してない希少な方だ。むしろ、武装錬金全体がそんな調子なら良かったんだけどな。ホムでもそうだし、金城や陣内くらいズラしておけばよかったのに。まあ露骨な名前にされている再殺部隊は、蝶野製ホムと違って下の名前がつきましたが。
 大戦士長の活躍とお仕置きはまだ先。8/24に8巻かー……。
【毒島華花】CV:矢作紗友里
 和月の成長を如実に現す結果となったキャラ。世の中には奇をてらうよりも大事なことがあるんですぜ。ガスマスクを手放さない彼女の素顔に、当時話題が沸騰していたものだが、「こんなに騒がれてたら、実際に中身が美少女でもみんな本当に満足するのかな?」と妙な不安を抱いてしまっていた。まあ結果は杞憂に終わってくれましたが。
 火渡ラブ。「毒ガスはナパームで焼き払う」から彼と一緒に登場させたそうだが、なのにその好みは焔のような人。うーむ。しかし火渡は、彼女が16歳の乙女と承知で、バスルームからフルチンで出てきたんですか。単に戦部同様無頓着なんだろうけど。つか、あのホテル内の部屋って怪我した犬飼・丸山の裸(上半身のみ)もあったんだよな。ただでさえ内気なのに大丈夫か華ちゃん。唯一女性の千歳さんはいないし苦労してそう。
【楯山千歳】CV:小林ゆう
 たった一コマだけ存在していたセーラー服姿のために、コスプレだバールのようなものだとネタにされ続けた人。コスプレにいたっては公式設定に昇格しちまうし。時々彼女が沢宮に、ブラボーが梅原に見えます(屍姫)。

*1:根来「この現代に、本物の忍者なんているわけないだろう」  毒島「錬金術はあるのに、忍者はいないなんて……」

*2:原作60話。「真骨頂はここからだ!」など。

*3:原作62話「あの人そんなに強いの?」

*4:原作60話「犬飼のキラーレイビーズを甘く見ているわよ」

*5:原作65話「戦部の性格からして〜」

*6:原作74話「大戦士長の言うコトを聞かないとこうです」〜「大戦士長を怒らせるともっとこうです」