男爵様の正しい使い方

 破壊男爵(バスターバロン)。その特性は『登場した作品を終了させること』、故に最強最悪最終……もとい、『他の武装錬金の特性を形状からまるごと増幅する(最大五つ)』。シリアルナンバーXVII(17)、全身甲冑(フルプレートアーマー)の武装錬金のバスターバロンは、武装錬金原作において、ヴィクターとの決戦兵器として使用されました。本来はその特性でシルバースキンを増幅して使用するはずが、当のキャプテンブラボーが某チンピラに大怪我させられたため、その計画が頓挫。やれやれです。
 というわけで、代わりに秋水(ソードサムライX)+火渡隊長(ブレイズ・オブ・グローリー)+再殺部隊の面々(戦部/激戦、根来/シークレットトレイル、犬飼/キラーレイビーズ、円山/バブルケイジ)がサブコクピットに搭乗して参戦とあいなりました。が。なーんか人選が間違っていますよね?
 まあ秋水君はやっとの出番ですし、ちゃんとヴィクターのエネルギー攻撃を散らしているので良しとしましょう。火渡戦士長も5100度の焔はさすが頼りになります。じゃああとのメンツはどうか。犬飼のキラーレイビーズは弱い印象しかありませんが、頭数は増えるのでいいでしょう。円山のバブルケイジは強いです(なぜか巨大ヴィクターは縮まなかったけど)。じゃあ何がいらないかといえば、根来と戦部。
 まず根来/シークレットトレイルの特性は『切りつけたものを創造者専用の抜け道にする』です。この抜け道は根来当人と、根来のDNDを有する存在のみ使用可能。男爵様で増幅しても、男爵様が抜け道を使えるわけではないっぽいです。シークレットトレイルを揮うバスターバロンは照星さんの武装錬金ですし、バスターバロン内部に根来はいますが、彼のDNAがなければ衣服さえ通行拒否されるので無意味。特性が適用されてバスターバロンが亜空間に潜めれば最高だったでしょうが、男爵様が持っていてもただの刃物です。
 同じような理由で、戦部/激戦も無意味ではないかと思われます。激戦の特性は創造者と武装錬金の高速自動修復ですが、バスターバロンが壊れても戦部は修復されて無事、程度の意味しかないのではないでしょうか。修復範囲にバスターバロンが含まれるなら、イモヅル式に照星さん他搭乗者も含まれそうですが、そこまで都合よく働かん気もします(そもそも修復に必要な気合は、戦部以外個人持ちになるような気もしますしね)。
 ではどんな武装錬金を男爵様に装備させるべきだったのか?
 1.楯山千歳/ヘルメスドライブ。レーダー特性はもしかしたらサポートにいいかも。それより、短距離ワープで攻撃を避けたり(あるいはドレイン避けにヒット・アンド・アウェイ……といいたいところですが、増幅されてもワープに重量制限はあるだろうから、男爵様を運ぶのはきつそうです)、そして何より楯として使用したり。
 2.中村剛太/モーターギア。非常に見てみたい組み合わせ。それでなくとも本体の照星さんが、ナックルダスターモードになったら鬼に金棒です。シルバースキン装備のブラボーだってお仕置き完了じゃないでしょうか。で、バスターバロンwithモーターギアですと、スカイウォーカーモードで機動力を確保しつつ、手に持った別の武装錬金で攻撃。あるいは戦場は海ですので、マリンダイバーモードでヴィクターに水中戦を挑んでこちらが優位に立つ。もちろんナックルダスターでボコにしてもいいでしょう。ルーキーの武装錬金だからとあなどってはいけません。
 3.早坂桜花/エンゼル御前。早坂姉弟ツープラトン再び。自動人形ゴゼン様の存在ばかりがクローズアップされていますが、射撃系武器の武装錬金はわりと少ない気がします。バスターバロンはドレインの範囲外から矢を打ちまくり、そこに増幅レイビーズが強襲……なんてのもいいかもしれません。問題は男爵様がハートの篭手をしなくちゃならんことですけど。
 4.ジェノサイド・サーカス。いつの間にかヴィクター戦から脱落したっぽいですが、男爵様に増幅してもらえば、もうちょっと活躍出来るはず。イメージ的には、ジャイアントロボの如く、肩からズラリと弾頭を生やして一斉射。
 と以上四つの例をあげましたが、やはり一番よさそうなのはモーターギアかな。根来とかとことん単体でないと意味がない武装錬金ですね(まあ隠密がウリですし)。作中の描写や設定を見ていると、あれでも再殺部隊はわりと実力者メンバーっぽいですけれど……。
 ただ、原作は時間がないのであまり詳しく描写がされていませんでしたが、実は再殺部隊全員の特性が忠実に反映されていた可能性もあります(反映されていた描写もないですけど)。作中で描かれないところで、男爵様がシークレットトレイルの亜空間に潜んでヴィクターを強襲したり、バブルケイジで縮められたヴィクターが突然元に戻ったり(擬体だしね)、吹っ飛ばされた腕がたちどころに激戦で修復されたりという攻防があった……かも……しれない!