最近読んだ漫画:ムダヅモ6、コープス5、デッドマン9

大和田秀樹『ムダヅモ無き改革』6

ムダヅモ無き改革 (6) (近代麻雀コミックス)

ムダヅモ無き改革 (6) (近代麻雀コミックス)

 ラグナロク編終了。アシモ相変わらずすげーな!
 麻雀ルール分からんので何をしているかよく分からない部分が多いんですが、暑苦しいノリと勢いでここまで来ました。
 とりあえずトリスタン死亡か……。イゾルデのパンチラ要員っぷりに作者の成熟を感じることしきり。
 120pの小泉ドアップが個人的に今回のハイライトです。
 最後の一撃に見開きで二十ページ以上使った漫画なんて初めてみたわwww
 新章開始ですが、多分彼は生きて帰ってくるんでしょう。

祁答院慎, 篠宮トシミ『コープスパーティー BloodCovered』5

コープスパーティー BloodCovered 5 (ガンガンコミックスJOKER)

コープスパーティー BloodCovered 5 (ガンガンコミックスJOKER)

 逃げてー由香ちゃん逃げてーという気持ちでいっぱいですが、物語の視点は早々に哲志くんに移ってしまうのでありました。ううむ、裕也はんのむかつきキャラっぷりははんぱないなあ。
 命に差がないと分かってるから――って物凄いタチ悪いよこのサイコ野郎……。
 良樹は次回まだ生きてるかなー。
 直美があのメールであっさり誤解するのはどうかと思いましたが、緊張状態が続いていますし、判断力低下は致し方ないか。
 それにしても七星にあんだけ酷いこと言われて「ちょっといじわるそう」で済ます哲志くんはおめでたいとしか言いようがない気がします。
 他に宛がない部分はありますが、仕方なしにってのとも少し違うし……。今までおかしい奴もいっぱいいたんだから、敵と見なす方が早い感じですけれど。
 古典的な状況設定のパニックホラーという所が気に入っているこのシリーズ、次回も楽しみです。

片岡人生, 近藤一馬デッドマン・ワンダーランド』9

デッドマン・ワンダーランド (9) (角川コミックス・エース 138-16)

デッドマン・ワンダーランド (9) (角川コミックス・エース 138-16)

 激しい混乱の末DW崩壊、玉木脱落。打ち切りエンドっぽい締めで不安になりましたが、今月26日に十巻が出るようで一安心でした。
 しかし玉木、引きこもりゲーオタってなんつう正体だ……あのおもちゃに拘ったりする辺りは理解出来たけれど、そんなやつがよく弁護士になりすましたり、民営刑務所の偉い人になれたなあ。
 トトの正体は原理不明なのはさておき、やはり所長でしたね。玉木よりよっぽどあくどい奴のようです(そもそも玉木のしてたことが、全部あれの後追いでしかなかったという)。
 そしてアザミん……あっさりすぎてマジか!? 復活フラグある!? って感じなんですがどうでっしゃろ。
 とうとう丸太が赤い男の素顔を見ましたが、呆然としすぎてその点についてのリアクションは把握しきれない。無罪にもなっちゃったし、彼がこれから動く理由はないけれど……。
 二度目の震災……なんつうか例の震災の後でこの展開の作品がちゃんと出版されるのはありがたいことです。延期があったかどうかは知りませんが。
 あの震災の後で、デッドマン連載自粛すんのかなあとかちょっと思ってましたが、その心配ももう無用のようです。

入江君人『神さまのいない日曜日』1

神さまのいない日曜日 (富士見ファンタジア文庫)

神さまのいない日曜日 (富士見ファンタジア文庫)

 やはり昨今のラノベで女主人公は不利なのか……昔はスレイヤーズ! とか棄てプリとかアンゲルゼ(これ少女レーベルだったか)とか色々あったというのに。キノは健闘してるけんど。
 アイちゃん可愛いよアイちゃん。


 富士見ファンタジア大賞から出た、久しぶりの大賞受賞作。
 っつーことで編集からのプッシュも厚く、一巻の内容もCDドラマとして発売中であります。ハンプニーのDVシーン怖くて視聴する勇気ねえけど。
 なーんかにちゃんねるでスレ検索しても、アンチが立てた作品スレしかなくて、何でそんなに人気が無いんだよという現状。作者の人格攻撃とかあるしなんだこれ。俺は大好きだ。
 イラストは正直微妙なんですよね。ハンプニーの口絵が中二病キャラにしか見えなかったんですが、読んでみたらわりとそうでもなくて拍子抜け。三巻のアリスも中二っぽくてそうでもないキャラかと期待。
 神さまに見捨てられ、人は死んでも死なず、子供は生まれなくなった世界。ファンタジーということで異世界ファンタジーと思って手を伸ばしたんですが、ハンプニー登場のあたりから銃とかテレビとか新聞が普通にあるのが判明してあれっという感じ。パラレル未来世界みたいのようですね。
 そんな調子で世界観が分かりづらい部分がありますが、まあこの特殊性だけ抑えておけばまあOK。世界がよく分からんのは主人公のアイも同じです、うん(車もラジオも二巻が初体験)。
 設定は一見ゾンビ物ですが、別にゾンビとバトルしたりはしません。ラストはそうなりますが、要点はアイと人食い玩具(ハンプニー・ハンバート)の出会いと別れでしょうか。
 墓守の少女・アイは十二歳。暖かいけれど何かを隠す村人たちに育てられた彼女を、ある日殺戮の嵐が襲います。村を殲滅した少年は、アイの父親として聞かされていた「人食い玩具」を名乗り……とまずはドラマチックな展開に。父親ですから! という理由でアイはハンプニーについて行っちゃうので、この辺で脱落する方は割と居た模様。
 人によっては途中で予想が付く(私も事前情報で分かっちゃってた)のですが、ハンプニーが村を襲ったのはそれなりに理由があり、アイもハンプニーと行動を共にすることでそれに気がつきます。
 ただ、アイがハンプニーにあっさり懐いちゃうのはもう少しどうにかならなかったのかな。
 話的に必要なのは分かるし、村を襲われたアイの葛藤や苦しみは充分に書かれてるんですが、仇討ちのためについて行くよ! ぐらい分かりやすかった方がスムーズだったかもしれない。
 実際、工房で食事するまではそんな雰囲気でしたしね(ハンプニーが寝るまで寝ない、食べるまで食べない、と意地を張り続けるくだり)。
 まあ、それはそれで何だかアイのキャラではないなあ、という印象もつきまとうんですれど。
 何と言ったらいいのか、最初からキャラの行動原理とかアルゴリズムが独特で、だから整合性はあるけど普通の人とは違う動きをするといいますか。
 このへんは不手際と言うより、作者独特の尖った感性によるものじゃないかなあという気がします。好きだからかなり贔屓目に見ていますが。
 全体として構成や伏線は非常に巧みです。アイの生い立ち、ハンプニーとの出会い、徹底された墓守としての存在意義と肯定、父娘の邂逅、等々……。
 ラストはとんでもない夢に向かって締め括るところで終わりですが、それは更なる残酷な旅路への出立でもあるのです。まあそれは次回の感想にでも。
 二巻でも三巻でもそうですが、アイがあと二つ三つ成長したころならまだしも、十二の子供にこんだけ夢に走り出すのを徹底否定するのも酷いですよね。
 ハンプニーがアイをいきなりボコボコにした挙げ句みっともなく命乞いさせる(これを描写せずさっさと説明で済ましたのは作者の良心なのでしょう……)シーンとかちょっとやり過ぎじゃねえのとか。
 というか相手を救うためなら命も奪う! ハンプニーは確実にやり過ぎ。
 殺しても死者は歩き出す訳ですが、彼はその後頭撃って焼いて灰にして埋めて、でも彼は墓守じゃないから相手を永眠させられないんですぜ。
 あとヨーキのこと考えると、彼一人余計に殺しましたよね。まあヨーキのことだから、せめてアンナと一緒にとか言っちゃってハンプニーもそれを承諾したのかもしんない。
 しっかし、この世界のゾンビって脳をやられると精神にもきっちり影響が出るので、灰になったら動くことも考えることも出来ないっぽいです。そうなると死ぬのとどう違いがあるのかな……。
 ユリーの奥さんは一年以内で脳も腐りきってしまいましたが。オルタス(二巻)で死後の処置がどうのって少し出ていたから防腐処理は考えられているようですけれど。
 世界が全部死者だけになったら、後はみんな朽ちるのを待つだけですよねえ、どれだけエンバーミングしてても。
 アイが世界を救おうとするなら、墓守が人間に変わって子供を産めるようになるしかないのかもしれない、とちょっと思ったり。

映画『ガリバー旅行記』

 観てきました。スウィフトのガリヴァー旅行記を現代版実写化! ということで楽しんで来ましたよ。元は風刺小説だったのが、そこらへんの毒はすっかり抜けて(まあそういうのは苦手だからいいんですが)、ある駄目男の成長を描いた娯楽作品に仕上がっていました。
 リリパット国の王様を助けるくだりが下ネタだったのが何とも……(巨大な小便小僧まで作られちまったじゃねーか)。あ、でも原作と同じ方法取っているみたいですね。
 ……ガルガンチュアも巨人が下ネタまき散らす古典作品だったなあ。
 巨人の国ブロブディンナグもちょっぴり登場。お人形遊びに付き合わされるシーン、ぽっちゃり系男子wの主人公が女装させられる羽目になっているのでそこがまた笑える。
 主人公のガリバー、典型的なお調子者で口からでまかせがぽんぽん出るんだけど、憎めないタイプなんですよね。
 何のかんので、以前からヒロインのダーシーにや悪く思われてなかったようだし、リア充乙と言いたいw
 最適な行動とはいえ、死体から剥ぎ取ったパラシュートで躊躇なくダイブ! なんて行動力ありすぎですよ。
 そういえばかのラピュタも、元の出典はガリヴァー旅行記でしたね。続編が出たらそのへんまで主人公がスリップしたりしないかちょっと期待。
 主人公の俳優さん、最低男優賞も受賞したそうですが、これってどのぐらい名誉なのかな……?
 しかし可哀想なのは憎まれ役のエドワード将軍でしたねえ。18世紀イギリス風俗のリリパットに、ガリバーはがんがん現代カルチャーを持ち込むんですが、誰かもうちょっと警告に耳を……。
 将軍自身の行動によって、結局同情できなくなっちゃいますし。あんたどこのトニー・スターク(アイアンマン)だw
 まー主人公も自分がついた嘘でブーメラン喰らいますし、それをバネに成長する話なんで、悪役可哀想的な不快感は特に無いです。
 リリパットの町並みがガリバーの写真で埋め尽くされるとゆー、身の丈に合わない力を手に入れた人のお約束を踏襲しているあたりは酷すぎましたがw
 この話で特に良いと思えたのが、原作にはいないホレイショ君の存在。名前を訊くとどーしてもケイン警部補(CSI:マイアミ)連想しますがそれはさておき。
 リリパット人(つまり小人)で、ガリバーと唯一の友人となる彼はサブ主人公として輝いてしましたね。彼の恋路を応援することでガリバーもちょっと成長し、くじけた時ホレイショから助けられることで、ガリバーもまた奮起する。なんという王道! 友情!
 休日の娯楽として手軽に楽しめる一本でした。

 予告編で出たXメンの過去編(若き日のマグニートーとプロフェッサーXが、宿敵となるまでのお話っぽい)も気になるかな。つか、最近は3D映画も増えましたねえ。
 3Dメガネ、眼鏡の上からもう一つ眼鏡をかける形で使っていたんですが、重かったので今回はバインダー式を購入しました。
 こう、眼鏡のつるにぱちっと止める。割高だけになるけど、せっかく映画館まで来て鑑賞するなら快適に行きたいですw
 あ、それと今回は予告編の段階で音割れするトラブルに見舞われました。機械が不調ということでストップをかけ、暗闇の中で数分放置……鑑賞自体は問題なかったけど、こんなことは初めてだったな〜。

ヤマザキマリ『テルマエ・ロマエ』III

テルマエ・ロマエ III (ビームコミックス)

テルマエ・ロマエ III (ビームコミックス)

 相変わらずルシウスさんはブレねぇな! な三巻。テルマエの六割は彼のリアクション芸で出来ている。
 この巻に至ってはエピソードの長期化が顕著になり、一つのスリップに数話がかけられるようになりました。ローマの歴史も動いているようで、その背景自体がストーリーとして確立されつつあるようです。
 でもルシウスは変わらない! 千円札の野口英世を「貨幣に描かれていたから」と平たい顔族の王だと思ったり、景品のぬいぐるみを神と言い切ったり、そら山賊だって圧倒されるわ!
 お陰様で、平たい顔族との交流も長引くようになってしまいました。温泉を出て街を出歩いたり、無茶な注文をぶつけられた若き建築家(土木社員だっけ?)と一晩中設計を練ったり……。
 しかし、本当に水辺でしかスリップしない体質なんですねえこの人。
 アエリウス(バナナの芽を潰した色男)は、すっかりルシウスにトラブル持ち込む役に。そのうち「ベッドが欲しい……女つきで無くていいから……」なんてこと言い出しそうだ。
 その一方、若き建築技師とのやり取りでは純粋に「建築家ルシウス」が見られたのも良い感じです。彼はタイムスリップでアイデアを得て有名になった人だから、彼が自前の技術や知識を揮っているシーンっていまいち少なかったんですよね(イントロダクションとかで風呂の仕事しているシーンはあったけど)。あらためて、ルシウスの風呂建築にかける情熱は凄い。
 ……そういえば仕事に熱中しすぎて奥さんに逃げられたけど、再婚のフラグはあるのかなあ。マルクスが紹介してやろか〜とか言ってましたし。よく考えると仕事一筋すぎて、私生活の幸せ度が足りない気がしますよこの人。
 ラストはどんな落ちになるのかいまだ予想がつかないこの作品、次回も楽しみです。

青山景『よいこの黙示録』

 みんなのせかいを よりよくするために
 みんなを みちびくかかり

よいこの黙示録(1) (イブニングKC)

よいこの黙示録(1) (イブニングKC)

 小学生が学級内新興宗教を立ち上げるべく、新任の女教師(主人公)を巻き込む話。なんじゃそりゃ、というところですが、本当にそんな話です。
 主犯の伊勢崎くんは「自前の神が欲しいんだ」という理由で、トリックから心理的駆け引きまであらゆる手を駆使して暗躍し、主人公・湯島朝子は片棒を担がされることになってしまう。
 本当に企みに荷担してしまうのか、教師としての仕事(自己保身)その他と揺れるシーンの葛藤は瞠目です。携帯の着信バイブがそのままコマ割の枠となるとか、擬音と心理描写の双方を担っていて凄い。
『QU』や、ちょっと駄目な大人のお姉さんである主人公が、それでもちゃんと教師としての仕事や考え方をしているのは見てて面白い。教育現場での児童の扱い方と、やたら子供らしくない伊勢崎の「カリキュラム(=神様作り)」の手管など、そういう人間心理をあれこれを描き出していて、よく考えるとぞっとしてしまう面も。
 総勢三十名の四年二組、その中の児童たち一人一人の物語からも目が離せません。正義感で野球少年の五十嵐くんが一巻ラストのエピソードを受け持ちましたが、今後は他のキャラの内面がどう掘り下げられ、どんな物語が現れてくるのでしょう。
 教祖として担ぎ出された少女・森ユリカも、彼女と中島くんの関係、最初に蛍を呼んだときの真相などなど、台風の目となりそうな予感……。
 一番掘り下げられて欲しいのは、何と言っても伊勢崎ですけどね。四年生なのにえらい博識。しかも計画を思いついたのは一年前だから……八歳? 九歳? 何者やねん。
 物語の冒頭は街の人々のインタビューからなので、これからこの「宗教」がとんでもない規模になり、何らかの事件を起こしてしまうことが予測できます。それは伊勢崎の狙い通りなのか、彼自身のコントロールを離れたものなのか……。そして待っているのは破滅か希望か。
 小学校を舞台にした画面は一見ほのぼのですらありますが、主人公の「精液飲むのと同じぐらい苦手」なんて言い回しなどから、ここが学校だけの「閉じた世界」ではなく、大人も子供も生きているリアルの世界だと分かります。
 そのリアルにヒビを入れるのは、不思議少女・森ユリカと、異端の少年・伊勢崎。可愛らしい絵柄とは裏腹のサイコサスペンス、これから先が予測できなくて、やみつきになりそうな面白さを感じる!

岡崎武士『レッツ☆ラグーン』1

レッツ☆ラグーン(1) (ヤンマガKCスペシャル)

レッツ☆ラグーン(1) (ヤンマガKCスペシャル)

 無人島で巨乳美少女とキャッキャうふふする漫画。
 と見せかけてどっこい、何と●●だ!? これでだいたいの説明は事足りる。
 修学旅行中に遭難し、小さな無人島に漂着した主人公。途方に暮れながら船を掘っていた所、同級生の女子と出会い、彼女との共同生活が始まるのであった。
 無人島の美しい風景や、ヒロイン衣舞瀬さんの可愛さとおっぱいが綺麗な絵柄で表現され、これだけでも男性諸氏に強烈なプッシュを送りたい。特に、裸足の女の子に健康なエロスを感じるフェチぃ方。
 ラッキースケベ的なエロサービスはないんですが、このキラキラ眩し美しい絵面だけで胃ではなく胸が満たされる感じじゃないですかねー。
 しかし巨乳ブラジャーで止血のシーン、理にはかなってるけど(ブラのパット部分は止血にぴったり)、絵面的にはひどいことw裏表紙もちょうどその場面ですし。
 まあ、このブラが終盤とても重要な鍵になるんですが……やはり絵面が酷いww
 ともあれ、怒濤の展開で天国のような無人島生活はひっくり返され、伏線回収と驚愕の事実が明らかになります。果たして主人公は天使のような衣舞瀬さんを助けられるのか!? ていうかどうやって戻るつもりだ!?
 終盤がどう見てもクライマックス直前で、あと一、二回で終わりそうな雰囲気なんですが、次回もう一冊分何をやるというのでしょう……。
 ラストの畳かけが凄すぎて、このまま一冊で綺麗に終わるのかと錯覚しそうでした。
 そういう意味でも、次巻が楽しみですねー。

諫山創『進撃の巨人』4

 それを見た者は この世界で一番の 自由を手に入れた者だ

進撃の巨人(4) (講談社コミックス)

進撃の巨人(4) (講談社コミックス)

 さぁーて待望の新刊……と思ったが、今回は回想のターンにつき、「つなぎ」の回でした。
 エレンゲリオンが復活して岩持ってくあたりまでは、いつものテンションだったんですけれどね。まあ、話全体としてはそろそろ回想も必要だったでしょうから、これは仕方のないところか。
 あと、回想はてっきり次巻に持ち越されるかと思いきや、ちゃんと最後の方で終了して新展開への布石があったのが嬉しい。こういう引きがあると安心して続きを楽しみにできます。
 回想編におけるもう一人の主役はジャンかな。ミカサへの失恋に対するリアクションが面白い。いや、君とミカサの間に最初から信頼なんて発生しとらんかったやろ、とw
 いわゆる嫌な奴キャラだったんですが、回想編で赤カブ急上昇でしたよ。マルコとのエピソードは良い感じだったんですが、そこは『進撃』。回想の締めからして畳みかけにきます。
 もう一人の注目株は、何と言ってもサシャ。編集からのテコ入れ指示でもあったのかというぐらい、これでもか! とお笑い担当になっています。彼女こんなに食い意地張ってたっけw
 連載中にひたすら芋を食べるシーンがネットで流れていたけど、ここだけ見ると『進撃』が完全にただのギャグ漫画です。巨人に謝ってたシーンも抜き出すとギャグですがw
 ジャンとサシャ以外にも各キャラが掘り下げられていった回想編。どう見ても後々のフラグですありがとうございました。案の定そうだったし。
 巨人の吐瀉物とか、生け捕り巨人の図(全身釘)とかえげつないよ……。
 しかし外伝のリヴァイ隊長強すぎませんかあれ。それに巨人掃討戦で榴弾が活躍していましたが、首のうしろの弱点設定はー?
 とか設定に突っ込んでいたら、いつの間にか設定協力に小太刀さんと三輪さん(TRPG業界の方々、ラノベレンタルマギカ』でも設定協力。そして芝村系プレイヤーのエース)がいてお茶吹きそうになった。
 そういえば、グリシャ(エレンパパ)の巨人化技術はオリジナルなのか盗んできたものなのか? 『超大型巨人』や『鎧の巨人(存在忘れてた…)』も人が変身したものという可能性が出てきましたね。
 巨人の仕様はどう見ても人を殺すことを目的にした兵器ですし、なら同じ人間が作った可能性が高いわけで。壁のはるか向こうには、巨人を造った連中の世界が広がっているのかもしれない(まあ連載当初から言われていた話ですが)。
 もちろん、そのへんの予想を裏切る展開を期待しています。
 刊行ペースも早いし、これの次の話がもう雑誌で読める……と編集プッシュも凄い。ちょっと本気で本誌を買いたくなってきました。